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フィブロイン フィブロイン fibroin

翻訳|fibroin

7件 の用語解説(フィブロインの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フィブロイン
フィブロイン
fibroin

繊維状の硬蛋白質の一種。蚕の絹糸腺中に可溶性の液状で存在し,吐糸して繭をつくるとき,2本の繊維状に固化し,別の硬蛋白質セリシンで固められる。絹糸を精練すると,ほとんど純粋なフィブロイン繊維から成る,いわゆる練り絹となる。

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デジタル大辞泉の解説

フィブロイン(fibroin)

絹やクモの糸などの主成分で、繊維状の硬たんぱく質。水・希酸・希アルカリに溶けない。繭糸ではセリシンに包まれている。

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百科事典マイペディアの解説

フィブロイン

タンパク質の一種で,昆虫とクモ類の繭糸を構成し,その70%を占める。分子量約37万で大小2つのサブユニットからなる。希酸,タンパク質分解酵素等に安定。グリシンアラニンセリンチロシンを多く含み,この4つで全アミノ酸の90%近くを占める。
→関連項目ポリアミド

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栄養・生化学辞典の解説

フィブロイン

 絹糸の約70%を占める繊維状タンパク質.構成アミノ酸としてはグリシン,アラニン,チロシンが多い.

出典|朝倉書店
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世界大百科事典 第2版の解説

フィブロイン【fibroin】

昆虫とクモ類の繭糸の主成分をなす硬タンパク質で,生糸の主成分。各種溶媒や希酸に溶けず,タンパク質分解酵素の作用にも抵抗性を示す。生体タンパク質としては最も単純なものの一つ。グリシン,アラニン,セリンおよびチロシンが主要構成アミノ酸で,この4種だけで全アミノ酸の90%近くを占めるものが多い。またグリシン‐アラニンの配列の繰返しの多い部分は結晶部と呼ばれ,みごとなX線回折像を与え,L.C.ポーリングが1955年にポリペプチドのβ‐構造のモデルを提出した際の基礎的なデータとなった。

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大辞林 第三版の解説

フィブロイン【fibroin】

絹の主成分である繊維状タンパク質。繭糸中ではセリシンに包まれて存在する。アミノ酸組成はグリシン・アラニン・セリンに富む。一般の溶剤や希酸に溶けず、酵素によっても分解されない。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フィブロイン
ふぃぶろいん
fibroin

絹糸を構成するおもな繊維タンパク質。フィブロインは5齢期のカイコの後部絹糸腺(せん)で合成・分泌される。繭の繊維はフィブロインの繊維2本がもう一つのタンパク質セリシン(絹膠(けんこう))に固められたものである。組成はフィブロイン70%、セリシン30%とされている。セリシンの分子量は約6万5000~40万でセリンを約35%含んでいる。生糸をつくるときは繭を希アルカリ(せっけん液)で加温処理してこのセリシンを溶かし、除いている。セリンの名称はこのセリシンからつけられた。クモの糸もフィブロインが主成分である。分子量は約37万で、二つのタンパク質約35万のH鎖と約2万5000のL鎖とからなる。アミノ酸組成に特徴があり、グリシン48%、アラニン31%、セリン12%、チロシン5%で、他のアミノ酸は非常に少ない。H鎖のアミノ酸配列に特色があり、(GAGAGX)n, X=Ser, Valで表わせる(G=グリシン、Ser=セリン、Val=バリン)。つまり、ほとんどの個所でグリシンが一つ置きにある。X線回折像では典型的な平行β(ベータ)構造(タンパク質やポリペプチド鎖がとる二次構造の一種)を示し、立体構造はまだ決定的なものはないが特徴があり、ポーリングによるβ-ひだ状構造(pleated sheet)のモデルとなった。このような構造のため、プロテアーゼによって分解されにくい。
 セリシンには抗酸化作用があり、さらに人工的な腫瘍(しゅよう)に対して抑制作用があることが、2003年(平成15)に広島大学から報告された。また、フィブロインをキモトリプシンで切った断片ペプチドのうちN末端領域には、フィブロブラスト(繊維芽細胞)成長促進作用があることが明らかになった。[野村晃司]
『本宮達也著『ニュー繊維の世界』(1988・日刊工業新聞社) ▽赤井弘・栗林茂治編著『天蚕 Science & technology』(1990・サイエンスハウス) ▽日本蚕糸学会出版委員会監修、小松計一著『シルクへの招待』(1997・サイエンスハウス) ▽宮本武明他編『21世紀の天然・生体高分子材料』(1998・シーエムシー)』

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世界大百科事典内のフィブロインの言及

【生糸】より

…また生産国により,日本糸,中国糸,韓国糸などに分類される。
[構造および性質]
 繭糸は近似三角形の断面をもつ2本のフィブロイン繊維をセリシンが被覆する形状をなす。繭糸の主成分はセリシン(20~30%),フィブロイン(70~80%)でほぼ95%以上を占め,ほかに蠟,炭水化物などの二次成分を含む。…

【硬タンパク質】より

…植物界では硬タンパク質の代りにセルロース類が同じ役割をしているものと考えられている。 例としては骨,皮,腱などに含まれているコラーゲン,靱帯や動脈などの成分であるエラスチン,毛髪,羽毛などのケラチン,絹のフィブロイン,カイメンのスポンジ(海綿質)などが知られている。不溶性の原因はコラーゲンの場合には年齢とともに生ずる分子間の橋かけ結合であり,エラスチンの場合には分子内の橋かけ結合によるものと考えられている。…

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