日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フィリップス(Peter Philips)
ふぃりっぷす
Peter Philips
(1560/61―1628)
イギリスの作曲家、オルガン奏者。ロンドンのセント・ポール大聖堂少年聖歌隊員を経て、1582年カトリックであるという信仰上の理由からローマに渡り、同地でオルガン奏者。89年ブリュッセルに定住。一時アントウェルペンに移ったのちブリュッセルに戻り、97年アルブレヒト公のオルガン奏者となり同地で没す。マドリガル、モテットなどの声楽曲を多く作曲し、イタリアとイギリスの様式を融合させた作風を示す。鍵盤(けんばん)楽曲においてはイタリア・マドリガルの編曲ものを作曲する一方、イギリス・バージナル音楽の伝統的舞曲形式による作品も残している。
[南谷美保]