フィリップ2世(尊厳王)(英語表記)Philippe Ⅱ (Auguste)

山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説

フィリップ2世(尊厳王)(フィリップにせい(そんげんおう))
Philippe Ⅱ (Auguste)

1165~1223(在位1180~1223)

フランス国王。王領の拡大と集権化,封建的権力分裂の克服を開始した。フランス内イングランド領をめぐり,1187年以来イングランド王と抗争,第3回十字軍にイングランド王リチャード1世とともに参加したが(90年),いち早く帰国,王弟ジョン(欠地王)と結んでノルマンディ侵入リチャードの死まで戦った(94~99年)。のちジョン王より封建法上の手続きによってノルマンディ,メーヌ,トゥレーヌ,アンジュー諸地方を没収,王領を一挙に拡大した。フランドル伯,ドイツ国王オットー4世と同盟したジョンの反攻ブーヴィーヌの戦い撃破(1214年),国王の権勢を内外に示した。また有給官僚の創設,裁判の審級制の開始,ルーヴル宮の構築,パリの美化などに功績があった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報