フェリシアン化カリウム(読み)フェリシアンかカリウム

デジタル大辞泉の解説

フェリシアンか‐カリウム〔‐クワ‐〕【フェリシアン化カリウム】

ferricyanide》ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウムの異称。フェロシアン化カリウムを酸化して得られる赤色の結晶。有毒。酸化剤、分析試薬、青写真の感光剤などに使用。化学式K3[Fe(CN)6] 赤色血滷塩(けつろえん)。赤血塩

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百科事典マイペディアの解説

フェリシアン化カリウム【フェリシアンかカリウム】

正式にはヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムK3[Fe(CN)6]。赤血塩,赤血カリとも。比重1.878。暗赤色結晶。水によく溶け,フェロシアン化カリウムより不安定。粉末,水溶液は黄色。有毒。アルカリ性溶液は強い酸化剤。鉄塩およびその他の重金属塩水溶液と各種の着色反応ないし沈殿反応を示し,分析試薬および青写真などの感光剤として用いられる。フェロシアン化カリウムを電解あるいは塩素などによって酸化してつくる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フェリシアン化カリウム
ふぇりしあんかかりうむ
potassium ferricyanide

赤血塩ともいう。ヘキサシアノ鉄()酸カリウムが正しい名称である。1822年ドイツのL・グメーリンによって初めてつくられた。フェロシアン化カリウム(黄血塩)を塩素、過マンガン酸カリウムなどの強力な酸化剤で酸化するか、電解酸化すると得られる。たとえば、
  2K4[Fe(CN)6]+Cl2
  ―→2K3[Fe(CN)6]+2KCl
 結晶はニクロム酸カリウムに似た赤色であるが、粉末になると黄色を呈し、水溶液も黄色である。水、アセトンには溶けるが、エタノール(エチルアルコール)にはほとんど溶けない。含まれる錯イオン[Fe(CN)63-が不対電子を有するために常磁性を示す。太陽光に当たると分解をおこすので、フェロシアン化カリウムより不安定で、水溶液中では加水分解して遊離のシアン化物イオンCN-を生じ有毒である。アルカリ性溶液において強い酸化剤として働く。鉄()塩によって青色の沈殿(タンブルー青)を生ずる。青写真の感光剤、インジゴの染色の際の酸化剤、鉄、銅、亜鉛、銀の定性分析などに使用される。[鳥居泰男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

フェリシアンか‐カリウム フェリシアンクヮ‥【フェリシアン化カリウム】

〘名〙 (フェリシアンはferricyanic から。カリウムはKalium) ヘキサシアノ鉄(III)カリウムの異称。赤色結晶。化学式は K3〔Fe(CN)6〕 フェロシアン化カリウムを酸化して得られる。青写真や銀の分析試薬、インジゴ染色の酸化剤として用いる。有毒。赤血塩。赤血カリ。赤色血滷塩(せきしょくけつろえん)

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世界大百科事典内のフェリシアン化カリウムの言及

【シアノ鉄錯塩】より


[ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム]
 化学式はK3[Fe(CN)6]。俗称フェリシアン化カリウム,赤血塩,赤血カリなど。1822年グメリンLeopold Gmelin(1788‐1853)により初めてつくられた。…

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