ブリテン

デジタル大辞泉 「ブリテン」の意味・読み・例文・類語

ブリテン(Britain)

グレートブリテン

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精選版 日本国語大辞典 「ブリテン」の意味・読み・例文・類語

ブリテン

  1. ( Britain ) イギリスイングランドウェールズおよびスコットランドの総称。
    1. [初出の実例]「上院は其議事官四百三十七人第一王族〈略〉第二不列顛(ブリテーン)の貴族〈略〉以上四類の会集なり」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉初)

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百科事典マイペディア 「ブリテン」の意味・わかりやすい解説

ブリテン

英国の作曲家。サフォーク州ローストフト生れ。作曲家F.ブリッジ〔1879-1941〕に学んだのち16歳でロンドンのローヤル音楽カレッジに入学し,在学中から作品を発表。卒業後ラジオや記録映画の音楽を作曲し,詩人オーデンと知り合う。1939年―1942年渡米したオーデンのあとを追って,生涯の盟友となったテノール歌手ピーター・ピアーズ〔1910-1986〕とともに米国に滞在。オーデンを囲む芸術家サークルと交流を深める一方,ランボーの詩による声楽と弦楽オーケストラのための《イリュミナシヨン》(1939年),日本の〈皇紀2600年奉祝〉作品として委嘱された管弦楽曲《鎮魂交響曲(シンフォニア・ダ・レクイエム)》(1940年)などの傑作を作曲。後者は日本政府を激怒させ,日本初演は中止となった。帰国後はクーセビツキーの委嘱によるオペラピーター・グライムズ》(1945年)で圧倒的成功をおさめ,以後オペラをはじめとする多くの作品により英国の作曲家としてパーセル以来の高い評価を得た。その後の主要作品に,《ルクリーシアの凌辱(りょうじょく)》(1946年),《夏の夜の夢》(1960年),能《隅田川》にもとづく《カーリュー・リバー》(1964年),《ベニスに死す》(1973年)などのオペラ,《春の交響曲》(1949年),《戦争レクイエム》(1961年),ロストロポービチに献呈された《チェロ・ソナタ》(1961年)など。1948年以降〈オールドバラ音楽祭〉を主宰。指揮者ピアノ奏者としても活躍した。→ショスタコービチビシネフスカヤピーターと狼フィッシャー・ディスカウ
→関連項目キリアンクランコフェリアーブレーンホルストレクイエム

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改訂新版 世界大百科事典 「ブリテン」の意味・わかりやすい解説

ブリテン
Benjamin Britten
生没年:1913-76

イギリスの作曲家。幼少のころから楽才を発揮し,12歳から作曲を学び,16歳でロンドンのローヤル音楽カレッジに入学した。1934年卒業後,詩人W.H.オーデンに協力して記録映画のための音楽を作曲した。39-42年,テノール歌手P.ピアーズとともにアメリカに滞在中,日本の〈紀元2600年〉奉祝作品の委嘱をうけて作曲した《鎮魂交響曲Sinfonia da Requiem》(1940)は日本政府を激怒させ記念演奏会の曲目からはずされた。指揮者クーセビツキーからオペラ作曲の委嘱をうけて帰国したブリテンは作曲に没頭。45年6月オペラ《ピーター・グライムズ》がロンドンで初演され圧倒的な成功を博した。このオペラは各国語に翻訳・上演され,イギリスのオペラとして初めて国際的な名声を得た。最後の《ベニスに死す》(1973)に至るまでの14作のオペラは世界各国で上演されており,56年来日した際に鑑賞した能《隅田川》に基づく《カーリュー・リバーCurlew River》(1964)など小編成のオペラにも特色を発揮している。オペラ以外でも《青少年のための管弦楽入門--パーセルの主題による変奏曲フーガ》(1945),《戦争レクイエム》(1961)なども世界的に演奏されている。その作風は,技巧的には折衷的であるが,現代に訴えかける内容と巧妙な表現力によって広い音楽公衆をひきつける魅力をそなえている。亡くなる年,エリザベス女王からロードに叙せられた。

 主要オペラは上述のほか,《ルクリーシアの凌辱》(1946),《アルバート・ヘリング》(1947),《オペラをしよう--小さな煙突掃除夫》(1949),《ビリー・バッド》(1951),《ねじの回転》(1954),《真夏の夜の夢》(1960),教会上演用寓話オペラ三部作として前記の《カーリュー・リバー》のほか,《火の燃える炉》(1966),《放蕩息子》(1968)などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリテン」の意味・わかりやすい解説

ブリテン
ぶりてん
Benjamin Britten
(1913―1976)

イギリスの作曲家。ストフトに生まれる。幼時から異常な音楽的才能を示し、F・ブリッジに作曲を学ぶ。1930年ロンドンの王立音楽院に入学。卒業後、詩人W・H・オーデンに協力して記録映画をつくり、また彼の詩に作曲を試みる。39年、親友のテノール歌手ピーター・ピアーズとともに渡米し、アメリカに移住したオーデンを中心とする芸術家グループと親しく交わる。42年帰国したブリテンは、指揮者クーセビツキーの委嘱によるオペラの作曲に専念する。このオペラ『ピーター・グライムズ』は45年ロンドンで初演され、圧倒的な成功を収める。その後、最後のオペラ『ベニスに死す』(1973)に至るまで、『ルクリーシアの凌辱(りょうじょく)』(1946)、『アルバート・ヘリング』(1947)、『オペラを作ろう、小さな煙突掃除』(1949)、『ビリー・バッド』(1951)、『グロリアーナ』(1953)、『ねじの回転』(1954)、『ノアの洪水』(1957)、『真夏の夜の夢』(1960)、『カーリュー・リバー』(1964)、『燃える炉』(1966)、『放蕩(ほうとう)息子』(1968)、『オウエン・ウィングレーブ』(1970)など多くのオペラが作曲された。彼の音楽は、斬新(ざんしん)な作風を示すものではないが、確かな技巧と豊かな旋律に恵まれ、その巧みな表現力によって多くの聴衆を魅了している。56年(昭和31)来日。オールドバラに没。オペラ以外の作品も多いが、なかでも『戦争レクイエム』(1961)、『青少年のための管弦楽入門』(1946)などが広く知られている。

[寺田兼文]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブリテン」の意味・わかりやすい解説

ブリテン
Britten, (Edward) Benjamin

[生]1913.11.22. ローストフト
[没]1976.12.4. オールドバラ
イギリスの作曲家。 12歳で F.ブリッジの弟子となり,1930~33年ロンドン王立音楽学校で学んだ。卒業後は映画,ラジオ,劇場音楽を作曲,39年渡米して最初のオペレッタ『ポール・バニヤン』を発表し,42年帰国。クーセビツキー基金により3幕のオペラ『ピーター・グライムズ』 (1945) を完成。その後『ルクリーシャの凌辱』 (46) ,『アルバート・ヘリング』 (47) ,『ねじの回転』 (54) ,『カリュー・リバー』 (64) などのオペラを次々に発表した。歌曲,管弦楽にもすぐれ,『シンプル・シンフォニー』 (34) ,『青少年管弦楽入門』 (46) ,『戦争レクイエム』 (61) などの作品がある。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ブリテン」の解説

ブリテン

イギリスの作曲家。幼少の頃からピアノや声楽を学び、作曲を始めた。ブリテンの母親は、アマチュアながら才能のあるソプラノ歌手であった。10代の前半からブリッジに作曲を師事し、奨学金を得てロンドン王立音楽 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

世界大百科事典(旧版)内のブリテンの言及

【映画音楽】より

…《嘆きの天使》など),K.ワイル(《三文オペラ》《真人間》など),ショスタコービチ(《呼応計画》),H.アイスラー(《新しい大地》《外人部隊》)らが活躍した。さらにイギリスのドキュメンタリー映画の分野では,カバルカンティと組んだE.B.ブリテン(《コールフェース》など)をはじめ,A.ローソーン(1905‐71。《都市》など),そしてボーン・ウィリアムズらの仕事が注目されることになる。…

【室内管弦楽団】より

…1800年以前の音楽は,作曲当時の演奏規模で演奏するのが理想であるという考え方に基づいて,古い時代の作品が室内管弦楽団のおもなレパートリーとなったが,20世紀の作曲家たちの中にも,いたずらに巨大化した編成による作品のみでなく,こうした小編成の緊密なアンサンブルによってのみできる表現に目を向けた人々が現れて,新しい作品が多く提供された。シェーンベルクの《室内交響曲》(1907),ブリテンの《シンプル・シンフォニー》(1925)等はその好例である。イ・ビルトゥオージ・ディ・ローマ(通称〈ローマ合奏団〉),イ・ムジチ室内合奏団シュトゥットガルト室内合奏団,ロンドン・シンフォニエッタ,ハンガリーのリスト室内管弦楽団,ザルツブルク・カメラータ・アカデミカ等がすぐれた演奏で知られる。…

【戦争レクイエム】より

…イギリスの20世紀の代表的な作曲家ブリテンの晩年の作品(作品番号66)。第2次世界大戦の空襲で破壊されたコベントリー大聖堂の新築記念のために作曲し,1962年5月30日,ブリテン自身の指揮,フィッシャー・ディスカウその他のソロ,バーミンガム市立交響楽団によって初演された。…

【テ・デウム】より

…他方,近世に入ってからは,国家的慶事や戦勝祝賀のために,大規模かつ壮麗なスタイルで作曲されることが多い。このジャンルに属する作品には,ベルサイユの宮廷音楽総監督リュリがルイ14世の病気平癒を祝って作った曲(1677),ヘンデルがイギリス国王の戦勝を祝って作曲した《デッティンゲンのテ・デウム》(1743),ベルリオーズがパリ万国博覧会に際して発表した曲(1855初演),ブリテンが第2次世界大戦の終結を神に感謝して作った《フェスティバル・テ・デウム》(初演1945)などがある。なお特定の機会に結びつくものではないが,広く知られた曲に,ブルックナー(1884),ドボルジャーク(1892),ベルディ(1896)の作品がある。…

【パーセル】より

…とくに劇音楽を得意とした。日本では,イギリス現代作曲家ブリテンが作った《青少年のための管弦楽入門――パーセルの主題による変奏曲とフーガ》(1946)を通じて特にその名が知られているが,ブリテンが引用したのは,パーセルの劇的付随音楽《アブデラザール》の〈ロンド〉の主題である。 パーセルは音楽家の家系に生まれ,少年時代にチャールズ2世の王室礼拝堂少年聖歌隊に入って教育を受ける。…

【ピーター・グライムズ】より

…イギリスの作曲家ブリテンのオペラ(作品33)。詩人クラッブの長詩《自治村》(1810)の第22編を劇作家M.スレーターが台本化した。…

※「ブリテン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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