ベーリング海(読み)ベーリングかい(英語表記)Bering Sea

翻訳|Bering Sea

精選版 日本国語大辞典 「ベーリング海」の意味・読み・例文・類語

ベーリング‐かい【ベーリング海】

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デジタル大辞泉 「ベーリング海」の意味・読み・例文・類語

ベーリング‐かい【ベーリング海】

太平洋の最北部、シベリアカムチャツカ半島アラスカアリューシャン列島に囲まれる縁海。北はベーリング海峡サケマス・カニなどの好漁場。

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改訂新版 世界大百科事典 「ベーリング海」の意味・わかりやすい解説

ベーリング海 (ベーリングかい)
Bering Sea

アレウト列島コマンドル諸島で仕切られた太平洋最北の縁海で,ベーリング海峡を経て北極海に連なる。面積は227万km2で日本海の2.2倍。アラスカ半島西端からナバリン岬に至る北東側は広い大陸棚で,ベニザケ,カニ,底魚などの水産資源に富み,オットセイセイウチなどの海獣海鳥も多い。西側のシベリア沿岸の大陸棚は狭く,南西部は水深3000~4000mの海盆で,二つの海嶺で分断される。アラスカ湾から西に流れる温暖なアラスカン・ストリームの水はニア諸島(アッツ島などで構成される)に至るアレウト列島の島々の間からベーリング海に入り,海盆部を左回りに環流する。この間に冷却期を経て,カムチャツカ半島沿いに流出し,千島列島に至る。冬季の対流混合は水深150mに達するので上層塩分は33.2g/kgと均一で,塩分躍層下方で33.8g/kgを超える。陸棚上では11月にノートン湾から結氷し始め,流氷となってほぼ全域に広がるが,海盆部では少ない。6月には流氷は解け,陸棚上の塩分は32g/kg以下になる。この低塩分水はアラスカの沿岸沿いに北極海に流入する。夏季に海面水温は6~12℃に上昇し,表層塩分は低下するが,陸棚中央部の海底には-1.5~2℃の冷水帯が残る。海盆部でも水深100~150mは0~3℃と低温で中冷構造となる。深層水は水深2500mで1.5℃,34.6g/kgで,西端の海峡を通じて太平洋の水と交流する。日本漁船はスケトウダラ,カレイ,ギンダラ,メヌケなどの底魚やサケ,マスを漁獲している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベーリング海」の意味・わかりやすい解説

ベーリング海
べーりんぐかい
Bering Sea

北太平洋の最北部にある閉鎖的な海域。東側をアラスカに、北側をシベリアに、西側をカムチャツカ半島に、南側をアリューシャン列島やコマンドルスキー諸島に取り囲まれる。面積226.8万平方キロメートル。ほぼ中央部を日付変更線が通っている。北東部の3分の1は水深200メートル以浅の大陸棚が占め、残りの海域は水深3000~4000メートルの海盆になっている。北端はベーリング海峡を通じて北極海とつながる。海峡の水深が浅いため、北極海との水の交流はほとんどない。海域の大部分が結氷し、ところによっては10か月に及ぶ。しかし、アリューシャン列島付近は黒潮の影響で結氷期間が短く、アメリカ合衆国アラスカ州ウナラスカ島のダッチ・ハーバーは不凍港として知られる。濃霧の発生が日常的である。サケ、マス、カニ、クジラなど、水産資源の宝庫であり、日本の北洋漁業の中心地をなしていたが、戦後の日米加の漁業条約や旧ソ連との日ソ漁業協定により、操業海域が大幅に制限された。

 ベーリング海は1648年にロシアのデジニョフらが通過したが、1728年にベーリング探検隊が海峡であることを確認したことからこの名がついた。

[鶴見英策]

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百科事典マイペディア 「ベーリング海」の意味・わかりやすい解説

ベーリング海【ベーリングかい】

太平洋北部の支海。英語でBering Sea。シベリア,アラスカ,アレウト諸島に囲まれ,ベーリング海峡を経て北極海に通じる。面積226.1万km2。東半は浅く水深100m程度で広大な大陸棚をなし,西半は深く最深4097mに及ぶ。日,米,カナダ,ロシアの北洋漁業の主漁場で,アザラシやオットセイ等の海獣も多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベーリング海」の意味・わかりやすい解説

ベーリング海
ベーリングかい
Bering Sea

太平洋北部にある縁海の一つ。シベリア,アラスカ,アリューシャン列島に囲まれる海域。ベーリング海峡で北極海と結ばれ,海水はベーリング海側から流れる。面積約 227万 km2。北東半は大陸棚,南西半はアリューシャン海盆 (最深 4085m) 。北洋の好漁場の一つ。 1648年に S.デジニョフによって発見されたが,現在の名は 1728年にここを航行した V.ベーリングにちなむ。

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世界大百科事典(旧版)内のベーリング海の言及

【漁場】より

…この豊富な栄養塩が表層に還元されうるような水域は生産性が高いことになる。一般に大陸棚は陸水の流入に伴う陸上からの栄養塩類の供給によって生産性が高いが,ベーリング海東部のような高緯度海域では冬の大気冷却がひき起こす鉛直混合によって底層の栄養塩が表層に還元することも高生産に大きく寄与している。また,海流,地形,季節風などの影響で湧昇流(湧昇)が存在するようなところは,この力で下層の栄養塩が表層にもたらされるのでやはり生産性が高い。…

※「ベーリング海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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