コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ボノボ ボノボPan paniscus; bonobo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ボノボ
Pan paniscus; bonobo

霊長目オランウータン科。1920年代に入って発見された類人猿。頭胴長は雄 73~76cm,雌 70~76cm,直立時は雄雌ともに約 115cm。体重は雄約 40kg,雌約 30kg。同属別種のチンパンジーPan troglodytes に比べると顔の色が黒く,やや小型で四肢が長くほっそりしている。頭の形は丸みを帯び,耳殻と歯が小さく,顔面の突出が少ない。雌雄の性差は小さい。こうした点からヒトにより近い種とする説もある。生息域は熱帯雨林で,昼間活動し,夜は簡単な巣をつくって眠る。果実食を中心とするが,種子,葉や花,昆虫も採食する。まれにダイカーなど小型シカ類の子を捕らえて食べることもある。雌雄からなる 30~100頭以上の単位集団を形成する。雄は生まれた集団に生涯とどまるが,雌は生後 4~5年たつと他集団に移籍する。ボノボの特徴に,緊張の緩和や食物の物乞いの手段として性的行動を頻繁に行なう点があげられる。生殖に結びつかない雌雄の交尾行動,雌同士,雄同士の性器接触行動などがそれである。雌は排卵期に限定されない発情を示す。月経周期は約 40日,妊娠期間は約 9ヵ月。普通 1産 1子である。コンゴ民主共和国コンゴ川南岸にのみ分布する。国際保護動物。かつてピグミーチンパンジーと呼ばれたが,チンパンジーとは別種の動物であることが判明したため,しだいにこの呼称は使われなくなっている。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ボノボ

アフリカ・コンゴ熱帯雨林のみに生息するヒト科チンパンジー属のサル。絶滅危惧種。数が少ないうえにコンゴ内戦の影響などもあり、チンパンジーと比べて世界的に研究は進んでいない。飼育数も少なく、飼育研究は米と独だけ。国内では1996年まで日本モンキーセンター(愛知県)で1頭飼育されていたが、以降は1頭もいなかった。

(2014-01-09 朝日新聞 朝刊 科学1)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について | 情報

大辞林 第三版の解説

ボノボ【bonobo】

チンパンジー属の二種のうちの一種。1929年に新種として報告。コンゴ川南岸の限られた森林だけに生息し、特異な性行動を行うことが知られている。ピグミー-チンパンジー。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

知恵蔵miniの解説

ボノボ

サル目ヒト科チンパンジー属に分類される猿の一種。コンゴ民主共和国中西部の固有種で、低地にある熱帯雨林に数十頭から100頭ほどの群れをなして生息する。体長はオス80センチメートル、メス75センチメートル程度であり、以前はピグミーチンパンジーと呼ばれた。母系社会で非常に平和的な群れ行動をとり、子の母親への依存度が高く、二足歩行が得意。チンバンジーより知能が高く、「限りなく人間に近い猿」と言われる。1990年代、米ジョージア州立大学言語研究所により、文法も含めた約1000語の言語の理解、ルールを把握したうえでのテレビゲームを使った遊びなどが確認された。2008年には、ドイツのマックスプランク進化人類学研究所の研究者により、ボノボが別種の猿を追い回し食肉することが報告されている。

(2012-08-17)

出典|朝日新聞出版知恵蔵miniについて | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ボノボ
ぼのぼ
bonobo
[学]Pan paniscus

哺乳(ほにゅう)綱霊長目ショウジョウ科の動物。ピグミーチンパンジーともよばれる。もとチンパンジーの1亜種とされていたが、1933年クーリッジHarold J. Coolidgeが独立種として記載した。コンゴ(ザイール)川左岸の低地多雨林に分布する。チンパンジーより一回り小形で、体重の平均は35キログラム。本種は、チンパンジーに比し、顔の色がより黒く、口顎(こうがく)部の突出が少なく、耳殻が小さく、頭が丸く、額が高い。これらは小児的特徴で特殊化の度合いが少なく、類人猿とヒトの共通の先祖に近いとする説がある。体格上の性差はチンパンジーより少ないが、発情した雌の性皮は顕著な腫脹(しゅちょう)をみせる。1975年(昭和50)ごろより、加納隆至(たかよし)らによって生態学的調査が進められた。植物食を主とするが、ミミズや小動物も食べ雑食性。チンパンジーは水を嫌うが、本種は半身水につかってイグサを採食するのが観察されている。集団は60~100頭からなり、性比はほぼ1対1、遊動域の面積は20~40平方キロメートルである。下位単位としてのサブグループが認められているが、その社会学的意義は明らかにされていない。性成熟に達した雌は生まれ育った出自集団を離れ、他集団に移籍する。本種の際だった特色は性的行動にあり、交尾のほかに、雌どうし、雄どうしで性器を接触させる行動が頻繁にみられ、それに食物の物ごいや分配のエピソードが複雑に絡む。1産1子で、出産間隔は約5年。[伊谷純一郎]
『黒田末寿著『ピグミーチンパンジー――未知の類人猿』(1981・筑摩書房) ▽加納隆至著『最後の類人猿――ピグミーチンパンジーの行動と生態』(1986・どうぶつ社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

世界大百科事典内のボノボの言及

【ピグミーチンパンジー】より

…ピグミーは小人の意。別名ボノボ。アフリカのザイール川左岸の熱帯降雨林中に生息する。…

※「ボノボ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

ボノボの関連キーワードフルハイビジョンフルHDアメリカ演劇現代音楽変成相チルデン映画理論小作争議小協商地主制

今日のキーワード

不義理

[名・形動]1 義理を欠くこと。また、そのさま。「多忙でつい不義理になる」2 人から借りた金や物を返さないでいること。「茶屋への―と無心の請求」〈逍遥・当世書生気質〉...

続きを読む

コトバンク for iPhone

ボノボの関連情報