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タケ類の地下茎から出る幼茎。古くは〈たかんな〉といい,〈笋〉とも書く。ふつう先端が地表に現れるころ掘り出して食べる。モウソウチク,ハチクのものが多く,東北,北海道では主としてホテイチクやネマガリダケなどの細いたけのこを食べる。しかし,《本朝食鑑》(1697)が,〈今本邦食する所の筍は苦竹,淡竹,長間竹の筍なり〉と,食用にされるのはマダケ,ハチク,シノダケのものだとしているように,明和・安永(1764-81)以降モウソウチクの栽植が進むまでは,たけのこといえばだいたいマダケとハチクのそれであったらしい。京都産のたけのこは古くから美味をうたわれ,とくに醍醐の蒸筍(むしたけ)は有名なものであった。これは皮をつけたまま蒸したもので,刺身につくって白酢で食べるのがよいとされた。白酢は豆腐にケシの実を加えてすり,酢でのばすというものである。たけのこは掘りたてがよく,時間がたつにつれてかたくなり,味も落ちる。そのため,調理にあたってはまずゆでてあく抜きすることが多い。料理としては,ワカメとともに炊き合わせる若竹煮,それをすまし汁仕立てにする若竹汁,木の芽(きのめ)みそであえる木の芽あえなどのほか,すしやまぜ飯の具,てんぷらなどにもされる。中国料理でもいため煮やあんかけに多用される。中華そばの具などにされるメンマはマチク(麻竹)のたけのこをゆでて乾燥したのち,発酵させたものである。
執筆者:鈴木 晋一
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出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
…けとかと通ず。筍(たかんな)は旬日の間に長じて,高き事天にそびゆ。是草の中いと高き物也〉と説明する。…
※「筍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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