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リウマチ熱 リウマチねつ rheumatic fever

7件 の用語解説(リウマチ熱の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

リウマチ熱
リウマチねつ
rheumatic fever

溶血性レンサ球菌感染症の2~3週間後に現れる自己免疫疾患で,心臓弁膜症の原因となることが多い。小児期に好発する。 40℃程度の高熱に始り,心炎,各種の関節炎 (ことに大関節) ,ときとして舞踏病なども伴う。

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デジタル大辞泉の解説

リウマチ‐ねつ【リウマチ熱】

膠原病(こうげんびょう)の一。溶連菌の感染による扁桃炎にかかったあと、2~4週間してから高熱が出て、関節痛・心膜炎などの症状が現れる。後遺症として心臓弁膜症を起こすことが多い。

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百科事典マイペディアの解説

リウマチ熱【リウマチねつ】

急性関節リウマチとも。A群溶血性連鎖球菌に感染して1〜4週後に,特定の素質を有する者に起こる細菌アレルギー性疾患自己免疫疾患ともされる。多発性関節炎,小舞踏病心内膜炎などを起こし,高熱,関節痛,全身倦怠(けんたい),尿量減少,頻(ひん)脈,心雑音などを呈する。
→関連項目膠原病リウマチリウマチ結節

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家庭医学館の解説

りうまちねつ【リウマチ熱 Rheumatic Fever】

アレルギー反応の一種
[どんな病気か]
 リウマチ熱は、のどに溶連菌(ようれんきん)(A群β(ベータ)型)という細菌の感染をくり返しているうちに発病する病気で、一種のアレルギー反応によって生じる炎症です。
 初めは、高熱と関節炎(かんせつえん)が現われ、特徴のある発疹(ほっしん)がみられます。心臓がおかされると、後遺症として心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)をひきおこすことがあります。
 学童期の子どもがかかることが多く、幼児以下の子どもやおとなは、あまりかかりません。また、患者数に男女の差はありません。
 春と、秋から冬にかけて発病することが多く、A群β溶連菌感染症が流行しているときは、感染している人の2~3%がこの病気になります。社会経済的条件が悪い地域に多くみられる病気で、抗生物質が発達した現在、日本では患者数が減っています。
 一方、アメリカでは、軍隊内で集団的に発病したという報告もあります。
[原因]
 溶連菌の細胞膜(さいぼうまく)にある抗原(こうげん)たんぱくと、人の心筋、血管壁、関節滑膜(かつまく)、脳の一部の組織が似ているため、溶連菌(抗原)を排除するためにからだの免疫のしくみによってつくられた抗体が、自分の組織を抗原とみなして反応し、生じる病気だと考えられています。
 しかし、溶連菌の感染者が、全員発病するわけではなく、遺伝的素因をふくめて、いろいろな因子が関係して発病すると考えられています。
[症状]
 咽頭炎(いんとうえん)や扁桃炎(へんとうえん)の後、2~3週間後に、全身のだるさ(倦怠感(けんたいかん))、食欲不振とともに、38~39℃の発熱と関節痛が現われます。膝(ひざ)、足、股(また)、手、肘(ひじ)、肩などにある大きな関節がおかされ、赤くなったり、腫(は)れをともなうこともあります。1~5日で、痛むところが移動します。
 輪状紅斑(りんじょうこうはん)という発疹(ほっしん)ができるのが特徴です。これは、不規則な紅斑で始まり、しだいに輪のような形になる発疹で、躯幹(くかん)(胴体(どうたい))や手足にみられます。
 発病して1~2週間すると、半数近くの患者さんが心炎(しんえん)をおこします。頻脈(ひんみゃく)(いわゆる脈が速い状態)、心臓の拡大、聴診による心雑音がみられ、心電図の異常がみられます。
 この炎症が、心臓の弁膜(べんまく)を傷害することがあり、心臓弁膜症(「心臓弁膜症とは」)をひきおこすことがあります。
 また、皮下小結節(ひかしょうけっせつ)が、手足の関節の伸ばす側にできます。大きさは、エンドウ豆くらいで、痛みはなく、移動することがある結節です。
 感染後2~3か月後に、5~10%の患者さんに神経症状が現われます。小舞踏病(しょうぶとうびょう)といわれ、意志とは無関係に踊るような不随意運動(ふずいいうんどう)が、上肢(じょうし)(腕)や顔面に突然おこり、動こうとすると、その症状がひどくなります。
[検査と診断]
 白血球数(はっけっきゅうすう)の増加、CRP(からだに炎症が生じると血中に増えるC反応性たんぱく)の増加、血沈(けっちん)(血液沈降速度(けつえきちんこうそくど))の上昇などがみられます。
 溶連菌が感染した証拠として、ASO(アンチストレプトリジン・O)、ASK(アンチストレプトキナーゼ)、ADN‐B(アンチデオキシリボヌクレアーゼ‐B)といった抗体が、血液中に増加します。
 心炎の診断には、心電図、胸部X線写真、心エコー検査、心音図が用いられます。そのうえで、咽頭(いんとう)からとった液などを培養して、A群溶連菌が見つかれば、診断は確定します。
 診断には、ジョーンズの診断基準が参考になります(表「リウマチ熱診断基準」)。
◎安静、保温、薬物療法が基本
[治療]
 治療の原則は、安静と保温です。原因となる溶連菌に対し、1日80~120万単位のペニシリンを、2週間内服します。
 その後も、再発を防ぐため、20~40万単位のペニシリンを毎日内服します。内服を続ける期間は、心炎のない場合は5年間です。
 心炎があっても、心雑音が残らなければ、20歳まで(15歳以上で発病したら20歳をすぎるとしても5年間)服用します。
 リウマチ性心疾患が残ってしまったら、30歳までの服用ですが、できれば生涯服用を続けます。
 リウマチ熱の症状を抑えるためには、アスピリンステロイド副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)が使われます。
[日常生活の注意]
 再発を予防するには、ペニシリンの内服を続けることがたいせつです。内服をしないでいると、50%以上が1年以内に再発し、再発をくり返すごとに心臓が悪くなっていきます。
 子どもの場合、ステロイド薬の使用を中止してから6か月がすぎたら、心臓の障害の程度によって、どの程度の運動ならしてもよいか決めることができます。
 心臓の拡大がみられない弁膜症であれば、水泳、マラソン、競走などの激しい運動だけを禁じます。
 心雑音がない子どもは、健康な児童と同様に運動してもかまいません。

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世界大百科事典 第2版の解説

リウマチねつ【リウマチ熱 rheumatic fever】

RFと略記する。A群溶血性連鎖状球菌(溶連菌)の感染後に発症するリウマチ性疾患。すなわち,溶連菌に対する抗体が心筋に反応して(共通抗原性による)炎症反応を起こすと考えられている。しかし,溶連菌感染者の2~3%に発症するのみである。病理組織学的に膠原病(こうげんびよう)の一つと考えられている。好発年齢は5~15歳で,男女差はない。開発途上国に多く,日本ではリウマチ熱からくる心臓疾患の頻度は近年著しく低下している。

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大辞林 第三版の解説

リウマチねつ【リウマチ熱】

全身の組織や細胞の間を埋めている結合組織の炎症を主な症状とする病気。溶血性連鎖球菌の感染による。関節・心臓・神経系が主として冒される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

リウマチ熱
りうまちねつ
rheumatic fever

A群溶血性連鎖球菌(溶連菌)による扁桃(へんとう)を中心とした上気道感染に個体の免疫応答が加わって発症する全身性の炎症疾患で、膠原(こうげん)病の一つとされる。かつて急性関節リウマチとよばれたこともある。溶連菌感染後に発症するが溶連菌感染症ではなく、溶連菌の毒素に対する抗体が発症に関連するものとみられており、溶連菌は検出されない。溶連菌感染者の3%前後が発症し、5~15歳の小児に多い。後遺症としてリウマチ性心疾患(とくに心臓弁膜症)が多くみられるのが特徴である。[高橋昭三]

症状

典型的な場合は、上気道炎の治癒後2~3週経過してからふたたび発熱するのがリウマチ熱の始まりで、関節炎をおこしてくる。誘因となる上気道炎は、ほとんど症状がなくて気づかれない場合もある。リウマチ熱の関節炎は移動性多発性関節炎で、膝(しつ)関節や股(こ)関節のほか、足首や手首、肘(ひじ)や肩など四肢の大きな関節が次々に腫(は)れて痛む。心雑音の聞こえる心炎も重要な症状で、心臓の弁膜や筋肉が侵される。皮膚症状としては輪状紅斑(こうはん)と皮下結節がみられる。輪状紅斑は種々の大きさで、痛くもかゆくもなく、早期に消失しやすいため注意していないと見逃すことがある。皮下結節は関節付近の皮膚下に現れ、小さなエンドウマメ大である。発症してから数か月後に小舞踏病がみられることがある。これは無意識のうちに手足が動いたり顔をしかめたりするもので、女児に多くみられる。以上がおもな症状で、大症状ともよばれるが、そのほかに鼻出血、胸痛、腹痛などをおこすこともある。
 リウマチ熱の症状は、放置しても1~3か月のうちに大部分の人は自然治癒するが、心炎をおこしたときに治療を十分に行わないと、治癒後に心臓弁膜症を残すことになる。[高橋昭三]

診断

血沈、CRP(C反応性タンパク試験)、白血球数、胸部X線、心電図などの検査も行われるが、もっとも重要なのはASO値の検査である。溶連菌は血液を溶血させる毒素(ストレプトリジンO)を出すが、溶連菌感染をおこすと、この溶血素に対する抗ストレプトリジンO(略称ASOまたはASLO)という抗体が血液中に出てくる。したがって、このASO値が高くなれば溶連菌感染をおこしていたことがわかる。このASOの高値と前述の大症状のどれかがあれば、リウマチ熱の確実な診断が行われる。[高橋昭三]

治療

心炎の発症および進展防止が治療の根本となる。心炎があれば副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤を用い、心炎がなければアスピリン製剤が使われる。一般には、栄養のバランスのとれた食事を与え、安静を守らせる。心炎をおこしていなければ2、3か月で普通の生活に戻れるが、心炎があればまず絶対安静にし、以後は医師の指示によってその程度を下げていき、全治しても約半年は安静を心がける。
 リウマチ熱は再発のたびに心臓弁膜症を残す率が高くなるので、初回の段階で溶連菌を根絶させるために十分量の抗生物質(とくにペニシリン)を少なくとも10日間は投与する。小児では再発により新しく心炎をおこしてくることもあるので、治癒後も引き続き成人に達するまで定期的に医師のチェックを受け、ペニシリンの予防内服を行う。ただし、心理的圧迫を与えない配慮が必要である。なお、軽い心臓弁膜症が残った場合は再発のたびに悪化するので、一生ペニシリンによる防止を続ける必要がある。[高橋昭三]

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世界大百科事典内のリウマチ熱の言及

【膠原病】より

…1941年にクレンペラーP.Klempererが提唱した疾患。病理学的に結合組織にフィブリノイドfibrinoid変性がみられる疾患という定義がなされ,全身性エリテマトーデス,慢性関節リウマチ皮膚筋炎または多発筋炎,強皮症(全身性進行性硬化症),結節性動脈周囲炎,リウマチ熱の6疾患が代表的な膠原病とされた。その後,病理学的にもフィブリノイド変性という概念がきわめてあいまいなものであり,膠原繊維にのみ変化がおこるものではないところから,結合織疾患connective tissue diseaseとよぶほうが正しいとされ,国際的にはそのようによばれることが多い。…

【猩紅熱】より

…A群β溶連菌の感染による法定伝染病。この溶連菌の感染で発病するものにはほかに咽頭炎,扁桃炎,丹毒,急性糸球体腎炎などがあり,さらに反復感染の後にリウマチ熱を起こすこともある。この菌で猩紅熱になることはむしろ少なく,また近年,本症は軽症化が目立ち,不完全型が多くなって,猩紅熱と診断されずに溶連菌感染症といわれている場合もある。…

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