溶連菌感染症(読み)ヨウレンキンカンセンショウ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

溶連菌感染症
ようれんきんかんせんしょう

溶連菌の感染が原因となっておこる疾患の総称で、ヒトの場合は90%以上がA群溶連菌による。多種多様の疾患が含まれ、化膿(かのう)性の皮膚疾患としては(せつ)、癰(よう)が集合性に生じたもの)、膿痂疹(のうかしん)、蜂巣織(ほうそうしき)炎など、炎症性疾患としては咽頭(いんとう)炎、扁桃(へんとう)炎、アンギーナ、中耳炎、乳様突起炎、骨髄炎、産褥(さんじょく)熱など、菌体外毒素の発赤毒によるものでは、小児の場合はしょうこう熱、成人では丹毒があり、続発性のものではアレルギーなどが考えられる糸球体腎(じん)炎やリウマチ熱がある。1975年ごろよりB群溶連菌による新生児の敗血症や化膿性髄膜炎が増加傾向にある。新しいものでは劇症型溶連菌感染症(劇症型A群溶連菌感染症)が、欧米では1980年代の後半から、日本では1992年(平成4)から発生している。劇症型溶連菌感染症については独立の項目があるので参照されたい。
 なお、しょうこう熱は、A群溶連菌による急性扁桃炎のうち、発赤毒による皮膚発疹(ほっしん)を伴うものとみられるようになり、旧法では法定伝染病の一つとされていたが、感染症予防・医療法(感染症法)ではA群溶血性連鎖球菌咽頭(いんとう)炎として5類感染症に分類されている。[柳下徳雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の溶連菌感染症の言及

【猩紅熱】より

…この溶連菌の感染で発病するものにはほかに咽頭炎,扁桃炎,丹毒,急性糸球体腎炎などがあり,さらに反復感染の後にリウマチ熱を起こすこともある。この菌で猩紅熱になることはむしろ少なく,また近年,本症は軽症化が目立ち,不完全型が多くなって,猩紅熱と診断されずに溶連菌感染症といわれている場合もある。 猩紅熱は5~7歳の小児に多い病気で,38~39℃の発熱,咽頭痛,頭痛,吐き気,嘔吐などの症状で始まり,ときには強い腹痛がある。…

※「溶連菌感染症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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