リュウグウ(読み)りゅうぐう(英語表記)Ryugu

デジタル大辞泉 「リュウグウ」の意味・読み・例文・類語

りゅうぐう【リュウグウ/竜宮】[小惑星]

太陽系小惑星1993JU3の名称アポロ群に属す地球近傍小惑星の一。直径は約700メートル。平成31年(2019)2月と令和元年(2019)7月、日本の小惑星探査機はやぶさ2着陸し、2回目はサンプルの採取にも成功した。名称は、サンプル採取を、浦島太郎竜宮城から玉手箱を持ち帰ることになぞらえたもの。
[補説]引力がきわめて小さいため、はやぶさ2の「着陸」は接地接触に近い。JAXAは1回目の着陸点を「たまてばこ」と、2回目のを「うちでのこづち」と名付けた。

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共同通信ニュース用語解説 「リュウグウ」の解説

りゅうぐう

地球火星公転軌道の近くを回る、大きさ約900メートルの小惑星。岩に覆われ、そろばんの玉のような形をしている。直径約100キロの「母天体」が、別の天体に衝突されて壊れ、そのかけらが集まってできた。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機はやぶさ2が表面地下の石のかけらを採取し、持ち帰った。試料は国内外の研究チームが分析を続け、これまでに液体炭酸水や、有機物アミノ酸が見つかっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュウグウ」の意味・わかりやすい解説

リュウグウ
りゅうぐう
Ryugu

太陽系の小惑星の一つ。地球に近づく軌道をもつ地球近傍小惑星の一つで、小惑星番号は162173(正式命名前の仮符号は1999JU3)。マサチューセッツ工科大学MIT)リンカーン研究所の地球近傍小惑星探査チームにより、1999年5月に発見された。小惑星探査機はやぶさ2の探査対象である。直径は約900メールで、炭素質コンドライトからなるC型小惑星である。初代はやぶさが目ざした小惑星イトカワは、鉄やマグネシウムを主成分とするS型小惑星であった。次に、より太陽系形成初期の有機物などを豊富に含むC型小惑星であるリュウグウが、探査対象として選ばれた。

 名称は宇宙航空研究開発機構(JAXA)による公募、リンカーン研究所への提案とその承認により決まった。はやぶさの小惑星サンプル持ち帰り計画が、玉手箱を持ち帰る浦島伝説と重なること、既存の小惑星名との類似がなく、水を含むと期待され水を想起させる命名であること、さらに、命名の国際条件である神話由来であるなどが名称の選定理由となった。

 はやぶさ2の接近観測により、全体的にはほぼ球形だが、そろばん玉のような形をしていることがわかった。また、はやぶさ2のサンプルリターンにより、約5.4グラムの砂や小石から、23種類のアミノ酸が検出された。

[編集部 2023年12月14日]


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知恵蔵mini 「リュウグウ」の解説

リュウグウ

太陽系の小惑星、1993JU3の名称。最長部分が約900メートルの大きさで、地球近傍小惑星のひとつ。1999年5月、米マサチューセッツ工科大学の研究チームによって発見された。2014年に打ち上げられた日本の小惑星探査機「はやぶさ2」による着陸とサンプル採取計画が進められている。リュウグウの名称は、サンプル採取計画を、竜宮城から玉手箱を持ち帰った浦島太郎の説話になぞらえたことによる。18年4月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「はやぶさ2」がリュウグウに約26万キロメートルの距離まで近づいたと発表。同年6月に到着、9月頃に着地して探査を行い、20年に地球に帰還する予定という。

(2018-4-26)

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