レオン(英語表記)León, Luis de

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

レオン
León, Luis de

[生]1527. ベルモンテ
[没]1591.8.23. マドリガル
スペインの詩人,聖職者。神秘文学の代表者。神の創造物としての自然美を歌った詩篇と,散文の対話『キリストの名称について』 De los nombres de Cristo (1583~85) が有名。

レオン
León, Moses ben Shem-Tob de

[生]1250頃.レオ
[没]1305. アレバロ
ユダヤ教の神秘家。新プラトン主義神学の教育を受けたのち,ユダヤ神秘思想カバラに深くひかれた。スペインのユダヤ世界の宗教的戒律の弛緩に対して『ゾハール』を書いた。

レオン
León

スペイン北西部,カスティリア・レオン自治州レオン県県都バリャドリドの北西約 130kmに位置する。ローマの第7軍団の駐屯地から発展。地名もレギオ legio(軍団)のなまりに由来する。10世紀ムーア人(→ベルベル人)から奪回後はアストゥリアス王国レオン王国の首都となった。サンチアゴデコンポステラへの巡礼路にあたる交通の要地を占め,中世には文化,政治,経済の面で重要な役割を果たした。今日では工業化が進められつつある。酪農,食品加工業,化学製品・医薬品製造などが主産業。著名なステンドグラスのあるゴシック様式のサンタ・マリア・デ・レグラ大聖堂(レオン大聖堂,1199着工),ロマネスク様式の聖イシドロ聖堂(11世紀),今日では宿泊施設となっているルネサンス様式の聖マルコス大修道院聖堂などがある。人口 13万178(2006推計)。

レオン
León

スペイン北西部の地方。カスティリア・レオン州のうち北部のレオン,サラマンカサモラの3県を含む地域をいう。中世後期のレオン王国の中心領域であった。

レオン
León

ニカラグア西部の都市。ニカラグア第2の都市で,レオン県の県都。首都マナグアの西北西約 75km,ロスマラビオス山脈南西麓に続く太平洋沿岸低地にある。1524年スペイン人によりマナグア湖の北西岸に建設されたが,1609年地震で破壊されたため,翌 1610年約 30km北西の現在地に移った。旧市跡は遺跡として 2000年世界遺産の文化遺産に登録された。その後南東のグラナダと競合しながら,植民地の首都として発展。ニカラグアの独立とともにその首都となったが,1857年グラナダとの対立を避けて首都はマナグアに移された。しかしその後もニカラグアの文化中心地で,1812年創立のレオン大学は 1952年ニカラグア大学に改組された。詩人ルベン・ダリオが少年時代を過ごし,また没した地としても知られる。1978~79年にはサンディニスタ民族解放戦線とソモサ政権(→ソモサ一族)との軍事的衝突が繰り返され,市の中心部は破壊された。農業地帯の中心地で,綿花,サトウキビ,米,家畜などを集散し,綿織物,たばこ,製靴,馬具などの工業が立地。曲がりくねった細い街路に赤い屋根の家が並ぶ美しいスペイン風の町で,中央アメリカ最大規模のレオン大聖堂をはじめとする植民地時代の聖堂が多数残っている。レオン大聖堂は 2011年,世界遺産の文化遺産に登録。マナグアと鉄道,道路で連絡。都市圏人口 13万9433(2005)。

レオン
León

正式名称はレオンデロスアルダマス Léon de los Aldamas。メキシコ中部,グアナフアト州北西部の都市。同州最大の都市で,メキシコ市の北西約 330km,レルマ川支流トゥルビオ川にのぞむ肥沃な平野にあり,標高約 1880m。 1552年から入植されたが,町が建設されたのは 76年で,1836年市となった。かつては洪水によって大きな被害を受けたが,現在は大規模なダムによって守られ,メキシコ有数の穀倉地帯を背後に控えて重要な商工業中心地となっている。農産物の集散のほか,皮革製品,金糸や銀糸の刺繍品,スチール製品,織物,石鹸などの製造が盛んで,なめし皮や製粉の工場もある。メキシコ市と幹線道路,鉄道で連絡。正式名称は独立戦争の指導者フアン・アルダマにちなむ。人口 87万 2453 (1990推計) 。

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世界大百科事典 第2版の解説

レオン【León】

スペイン北部,カスティリャ・レオン地方の同名県の県都。周辺の農産物の集散地で,近年,工業化が進行している。人口12万7095(1981)。古くから金や銅などの鉱産物で知られ,都市名はローマ時代の駐屯軍の名に由来する。6世紀末には西ゴート王国の支配下に入り,714年にイスラム教徒に征服されたが,9世紀半ばからキリスト教徒による再征服が進み,882年アルフォンソ3世によって最終的に回復された。910年,アストゥリアス王国の首都はオビエドからレオンに移り,レオン王国の版図は現在のレオン,サモラ,サラマンカの3県およびバレンシア,バリャドリー島両県の大部分に及んだ。

レオン【León】

ニカラグア西部の都市。人口12万4117(1995)。1524年にスペイン人がマナグア湖に面して旧市を建設したが,1609年の地震で破壊されて,翌年現在地に移った。1855年まで同国の首都であり,現在でもニカラグア第2の都市である。グラナダ市とは伝統的にライバル関係にある。1812年に設立されたレオン大学は,のちにニカラグア国立大学の一部となった。綿,サトウキビ,米などの農業,綿加工,タバコ,皮革などの製造業の中心地としても知られる。

レオン【León de los Aldamas】

メキシコ中央部,グアナフアト州の都市。人口75万8000(1990)。原住民チチメカの居住地であったが,1576年スペイン人によって植民され,鉱山(金,銀,銅)都市として発達。市街地は,標高1885m,カマンハ山麓に広がる。19世紀以降,木材,皮革,金属工業が勃興し,現在でも靴製造業は同国1位を占め,繊維,製紙,機械,化学などの工業都市に成長した。肥沃なトゥルビオ川流域の農産物の集散地でもある。【栗原 尚子】

レオン【Luís de León】

1527‐91
スペインのルネサンス詩人,聖書学者。アウグスティヌス会士。サラマンカ大学教授となるが,異端審問にかけられ(1572),5年間獄中にあった。その一因は旧約聖書の《雅歌》をヘブライ語原典からカスティリャ語に翻訳注解したことにあったが,これは《雅歌》の恋愛詩としての美しさを際立たせた,優れた業績である。女性風俗に独自の観察をみせる《完全な妻》,著者の内面史でもある《ヨブ記解説》,内容・文体ともに完成された《キリストの名称》は,いずれもカスティリャ語で神学を扱った散文である。

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世界大百科事典内のレオンの言及

【グラナダ】より

…植民地時代のいくつもの建物が残っており,家具,セッケン,織物,ラム酒などの製造業も盛んである。伝統的に保守派の拠点で,自由党の中心であるレオン市と政治的・経済的に対立してきた。【山崎 カヲル】。…

【ニカラグア】より

…ニカラグアという名前は,彼らの首長の一人ニカラオからとられたといわれる。スペイン人はレオン(1522設立)を中心に植民を行い,70年にはグアテマラ総督領の一部にニカラグアを統合した。植民地時代に,農作物の生産地となる。…

※「レオン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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