百科事典マイペディア 「ロビンズ」の意味・わかりやすい解説
ロビンズ
ロビンズ
→関連項目エンダーズ
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アメリカの小児科医師、ウイルス学者。1940年ハーバード大学医学部を卒業。ボストンの小児病院で細菌学研究に従事、1942年、陸軍の第15医学総合研究所に入り、ウイルス・リケッチア部長として伝染性肝炎、発疹(はっしん)チフス、Q熱の調査を進め、またおたふくかぜを研究。第二次世界大戦後、ボストン大学医学部に勤め、小児中央病院感染症研究所で、エンダーズ、ウェラーとともにウイルスの組織培養の研究を展開。その間にポリオ不活性化ワクチンの創作に成功した。この業績で前記2名とともに1954年ノーベル医学生理学賞を受賞。彼らのワクチンは各国で利用されたが、「セービン生(なま)ワクチン」の偉力に圧倒された。1952年ウェスタン・リザーブ大学(現、ケース・ウェスタン・リザーブ大学)教授。
[藤野恒三郎]
イギリスの経済学者。イングランドの南東部ミドルセックスに生まれる。ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスで教育を受け、同大学の助手、講師を経て、経済学の教授(1929~61)、非常勤教授(1962~67)、名誉教授(1967~80)を務める。その間、1930年に新設の経済諮問委員会(五人委員会)に参加、大不況を克服するために輸入制限や公共事業の促進を勧めるJ・M・ケインズ、A・C・ピグーらに反対し孤軍奮闘、反ケインズの立場を固守した。また、高等教育委員会委員長(1961~63)としてイギリスの高等教育の改善にも貢献した。ロビンズは、主著『経済学の本質と意義』An Essay on the Nature and Significance of Economic Science(1932)のなかで、「経済学は人間行動を所与の目的と択一的な用途をもつ希少な手段との間の関係として研究する科学である」と経済学を定義したことでよく知られている。彼は、経済学の基本的公準を内省に基づきアプリオリに真であると考えており、オーストリア学派の影響が色濃くみられる。
[佐藤隆三]
『辻六兵衛訳『経済学の本質と意義』(1957・東洋経済新報社)』▽『市川泰治郎訳『古典経済学の経済政策理論』(1964・東洋経済新報社)』
アメリカの舞踊振付者。ニューヨークに生まれる。アメリカン・バレエ・シアターのダンサーとして出発、1944年に『ファンシー・フリー』を振り付けて有名になった。これは同年にミュージカル『オン・ザ・タウン』としてブロードウェーで上演された。49年以降ニューヨーク・シティ・バレエ団の副ディレクターとして振付けに従事し、『不安の時代』(1950)、『檻(おり)』(1951)、『牧神の午後』(1953)などを上演し、同バレエ団独特のシャープなスタイルをつくった。また、ブロードウェー・ミュージカル『ウェスト・サイド物語』(1957)、『屋根の上のバイオリン弾き』(1964)などの振付け・演出をして空前の当たりをとった。『ウェスト・サイド物語』映画版では、ロバート・ワイズとともに監督も務め、アカデミー賞を受けた。G・バランチン亡きあと、ニューヨーク・シティ・バレエ団の新作のために努力してきた。
[市川 雅]
アメリカの舞踊家,振付師。ニューヨークに生まれ,チューダーらにバレエを学ぶほか,東洋の舞踊や演劇,ピアノなどを習う。1937年俳優としてデビュー,40年〈バレエ・シアター〉に参加。44年L.バーンスタインの音楽でバレエ《ファンシー・フリー》を初めて振付け大成功をおさめた。49-59年,ニューヨーク・シティ・バレエ団(シティ・バレエ)の芸術監督補佐として,ストラビンスキーの音楽による《檻(おり)》(1951),ドビュッシーの音楽による《牧神の午後》(1953)などを振付け,57年にはバーンスタインの音楽によるブロードウェー・ミュージカル《ウェスト・サイド物語》の振付で,世界的な名声を得た。58年と61年のスポレート音楽祭出演のために〈バレエUSA〉を創立したが,長続きせず,69年〈シティ・バレエ〉に復帰した。この間《王様と私》(1951),《屋根の上のバイオリン弾き》(1964)などミュージカルの演出,振付でも数々の成功をおさめた。その振付はモダン・ダンスにジャズ,ショー,社交ダンスの要素,手法を取り入れ,踊り手に高度の技巧を要求する。また作品には鋭いユーモア感覚が示されている。
執筆者:木村 英二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…シェークスピアの《ロミオとジュリエット》の物語を,ニューヨークのスラム街に移してミュージカル化した同名のブロードウェーのヒット・プレー(レナード・バーンスタイン作曲,スティーブン・ソンダイム作詞で,1957初演)の映画化。舞台と同じジェローム・ロビンズが振付を担当し,ロバート・ワイズとともに共同監督。ロケーションによるミュージカルはすでに《踊る大紐育》(1949)や《オクラホマ!》(1955)などでも試みられていたが,6週間にわたるニューヨーク・ロケを敢行したこの映画から,〈街中へ出たミュージカル〉の流れが始まる。…
※「ロビンズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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