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一億総中流 イチオクソウチュウリュウ

デジタル大辞泉の解説

いちおく‐そうちゅうりゅう〔‐ソウチユウリウ〕【一億総中流】

大多数の日本人が、自分は中流階級に属すると考えていること。旧総理府などが実施した「国民生活に関する世論調査」で昭和40年代以降、自分の生活水準を「中の中」とする回答が最も多く、「上」または「下」とする回答が合計で1割未満だったことなどが根拠とされる。
[補説]日本において国民の所得・生活水準に大きな格差がないことを指していたが、平成初期(1990年代前半)バブル経済崩壊後は、格差社会の進行が認識、問題視されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一億総中流
いちおくそうちゅうりゅう

日本の人口が 1億人を突破した高度成長期末期の 1970年代に,国民の大多数が共有した,自分が中流階級に属すという意識。「中流」とは多様な階級階層論を内包する概念である。たとえばカルル・ハインリヒマルクス生産手段の所有・非所有の観点から人々を資本家階級労働者階級プロレタリアート)に区分したが,ここでいう中流とはそのような実体的側面からはかられるものというよりは,広く所得水準や職業威信,消費生活水準など多様な指標から人々に準拠集団として意識されうる社会的態度の総称といえる。一億総中流の意識を示す調査結果としては,(1) 内閣府による「国民生活に関する世論調査」,(2) 日本社会学会による「社会階層と社会移動全国調査」(SSM調査)がある。(1)は,世間一般からみた自分の生活程度を,「上」「中の上」「中の中」「中の下」「下」「わからない」の項目から選択させるもので,1970年代には「中の上」「中の中」「中の下」を合わせた「中流に属すと意識している人」は全体の 9割を占めた。(2)は 1955年以降 10年ごとに行なわれてきたもので,所属階層に関する意識調査では,「上」「中の上」「中の中」「中の下」「下」から選択する項目があり,1975年調査では 75%の人が「中」に属すとの結果がみられる。さらに同年の調査では,親の地位よりも本人の学歴が地位決定に大きな影響を及ぼすことや,それまで当然視されてきた,職業的地位の高い人は学歴,所得,権力などほかの地位もすべて高いという「地位の一貫性」が日本社会にはあてはまらず「地位の非一貫性」が指摘できること,所属階層意識を醸成する指標が多様で一貫性を欠くことがだれもが中流意識をもちやすい結果につながったこと,などが指摘できる。(→中間層

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