精選版 日本国語大辞典「三千大千世界」の解説
さんぜん‐だいせんせかい【三千大千世界】
〘名〙 仏語。宇宙についての単位ともいえるもので、大千世界の別称。全宇宙は無数の三千大千世界からなるとする。仏教では、須彌山(しゅみせん)を中軸に、日・月・四大州・四大海・六欲天などを含めた広大な範囲を一世界とし、これの千倍を小千世界、小千世界の千倍を中千世界、中千世界の千倍を大千世界という。大千世界はその中に、小・中・大の三種の千世界を含んでいるから、三千大世界ともいう。転じて、ありとあらゆる世界・すべての世界の意、また、より軽く「世の中」「世間」の意でも用いられた。三千大世界。三千世界。三千界。三界。三千。一大三千大千世界。一大三千界。
※顕戒論(820)中「菩薩若能教二三千大千世界中衆生一、令レ行二十善一」
※狭衣物語(1069‐77頃か)四「女の身は、斎宮、斎院に定まり給はずとも、三千大千世界(サンゼンダイセンセカイ)を照らす玉の行方知らでは、仏になり給はん、難く侍らめ」 〔法華経‐化城喩品〕
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