三権分立(読み)サンケンブンリツ

デジタル大辞泉 「三権分立」の意味・読み・例文・類語

さんけん‐ぶんりつ【三権分立】

権力の濫用を防止し、国民の政治的自由を保障するため、国家権力立法司法行政三権に分け、それぞれ独立した機関にゆだねようとする原理。ロックモンテスキューらによって唱えられ、各国の近代憲法に強い影響を与えた。

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精選版 日本国語大辞典 「三権分立」の意味・読み・例文・類語

さんけん‐ぶんりつ【三権分立】

  1. 〘 名詞 〙 国家権力を立法・司法・行政の三種に分け、相互間の抑制と均衡によって、国民の政治的自由を確保しようとする近代民主政治の基本原理。ロック、モンテスキューらによって唱えられ、各国の近代憲法に大きな影響を与えた。特に、アメリカ合衆国憲法では厳格に実現された。権力分立
    1. [初出の実例]「モンテスキウが組立てた三権分立の論理は、政治の実際に入って今日の立憲制度を産出した」(出典:売文集(1912)巻頭の飾・一月廿二日の因縁〈平出修〉)

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旺文社日本史事典 三訂版 「三権分立」の解説

三権分立
さんけんぶんりつ

国家の統治権を,立法・行政・司法の三権に区分し,これら三つの権力作用をなるべく相互の独立した別の国家機関に置き,権力の集中を防ごうとする統治上の原則
イギリスの哲学者ロックが提唱し,18世紀,フランスの啓蒙家モンテスキューが確立。日本では形式的には明治初年の政体書で採用されたが,行政権に重点が置かれ,大日本帝国憲法も三権分立を認めたが,天皇の大権が中心であった。これに対し,現在の日本国憲法では国民主権のもとに,三権分立主義が一歩前進したが,アメリカ式の厳格な三権分立とイギリス式のゆるやかな三権分立が混在しているといわれている。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「三権分立」の解説

三権分立(さんけんぶんりつ)
separation of powers

政府権力が恣意的に行使されることを防ぐために,行政,立法,司法の三権をそれぞれ別個の機関に委ねること。絶対君主制に対して市民的自由を擁護しようとした啓蒙思想家たち,特にモンテスキューによって唱えられ,近代国家の政府組織の重要な原理の一つとして重視された。この原理を最も徹底的に実現しようとしたのはアメリカ合衆国憲法である。立法権を持つ議会二院制にすることも,権力の分立の一環をなしている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「三権分立」の解説

三権分立
さんけんぶんりつ
seperation of powers

国家権力を立法・行政・司法の三権に分ける権力分立の思想
相互に権限を牽制 (けんせい) し均衡させて(チェック−アンド−バランス),専制的権力の行使を制限し,民主主義制度を維持発展させようとする原理で,イギリスのロックが提唱し,フランスのモンテスキューが確立した。現代の世界の例では,厳格に三権分立を貫くアメリカ,立法権と司法権が結合した議院内閣制をとるイギリスのような型がある。

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知恵蔵 「三権分立」の解説

三権分立

日本の政治の枠組みは、国会(立法府)、内閣(行政府)、最高裁(司法府)の三権が互いにチェックし合う三権分立の体制である。国会は法案審査や国政調査を通して行政を監視し、議員で裁判官の弾劾裁判所をつくっている。内閣は衆院の解散権を持ち、最高裁判所裁判官を任命する。最高裁は違憲立法審査権を持ち、行政にかかわる訴訟の判決もする。

(星浩 朝日新聞記者 / 2007年)

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改訂新版 世界大百科事典 「三権分立」の意味・わかりやすい解説

三権分立 (さんけんぶんりつ)

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百科事典マイペディア 「三権分立」の意味・わかりやすい解説

三権分立【さんけんぶんりつ】

権力分立

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「三権分立」の意味・わかりやすい解説

三権分立
さんけんぶんりつ

権力分立

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三権分立」の意味・わかりやすい解説

三権分立
さんけんぶんりつ

権力分立」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の三権分立の言及

【権力分立】より

…国権作用を複数の機関に分けて担当させ,それら諸機関を相互に独立のものとすることによって,お互いの均衡・抑制を確保しようとする制度,または,そのような思想をいう。立法・行政(執行)・司法(裁判)の3作用を三つの部門に分担させることが,今日通例となっており,そのような意味で,権力分立は,三権分立ともいわれる。〈権利の保障が確保されず,権力の分立が定められていない社会は,憲法を有しない〉(1789年フランス人権宣言16条)といわれるように,権力分立は,権力の濫用を防ぎ権利保障を確保するものとして,近代的・立憲的意味の憲法の不可欠な内容をなすものとされてきている。…

※「三権分立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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