四国電力(読み)しこくでんりょく

共同通信ニュース用語解説 「四国電力」の解説

四国電力

四国4県を主な営業エリアとする電力会社。1951年の設立で、高松市本店を置く。保有する原発愛媛県伊方町の伊方原発1~3号機のみで、他に火力発電所4カ所、水力発電所58カ所などを持つ。2017年3月期連結決算の売上高は6845億円で、大手電力では沖縄電力北陸電力に次いで3番目に小さい。純利益は113億円。

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百科事典マイペディア 「四国電力」の意味・わかりやすい解説

四国電力[株]【しこくでんりょく】

1951年電力再編成で四国配電,日本発送電(一部)の事業を継承して設立。9電力会社の一つで,四国全域が供給区域。水力,火力,原子力の各発電所をもつが,原子力のウェイトが高い点に特徴がある。愛媛県伊方町の瀬戸内海に面した伊方原発(1〜3号機,1977年〜1999年運転開始,いずれも加圧水型軽水炉)が4割以上の電力をまかなう。福島第一原発事故後,すべての原発が停止している。2013年7月に施行された原子力規制委員会の新規制基準で示された過酷事故対策,地震・津波対策について,加圧水型軽水炉であることから,他の原子力発電所よりも基準クリアが比較的容易と見られ,再稼働申請が早く行われると予想されていた。2013年7月四国電力はプルサーマル前提に伊方3号機の再稼働申請を原子力規制委員会に提出した。2014年3月,原子力規制委員会は初の優先審査対象として九州電力の川内原発1,2号機を選ぶと発表,伊方3号機は審査自体が遅れる可能性が出てきている。伊方は想定すべき最大級の地震の前提となる,中央構造線断層帯による地震などについて審査が終わっておらず,最大級の地震については審査が始まっていないと原子力規制委員会は報告した。2015年4月原子力規制委員会は伊方原発3号機(愛媛県)の再稼働に向けた審査の議論をほぼ終えたと発表。四国電力は原子力規制委員会が審査書案を作るのに必要な修正書類について,4月の早い時期に提出したいとした。しかし,反対運動は依然活発で,住民への今後の四国電力の対応が注目されている。他には,光通信による個人向けネット接続サービスやIP電話サービスなど,インターネット活用の新事業を推進してきた。本社高松。2012年資本金1455億円,2012年3月期売上高5307億円。売上構成(%)は,電気事業91,その他9。→電気事業

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「四国電力」の意味・わかりやすい解説

四国電力(株)
しこくでんりょく

民間電力会社。供給区域は四国4県の大半で、1951年(昭和26)電気事業再編成の一環として旧四国配電の供給区域を継承して設立された。当初は水力発電所の出力が火力発電所の出力を上回っていたが、その後火力開発に力を入れ、発電電力量では1964年度に、発電設備出力では1965年度に、火力が水力を凌駕(りょうが)する火主水従化を実現した。その間の1959年には、日本で初めてフランシス型可逆ポンプ水車を使用した揚水式水力発電所である、大森川(おおもりがわ)発電所を運転開始した。原子力開発にも力を入れ、1977年に愛媛県西宇和(にしうわ)郡で、伊方(いかた)原子力発電所の運転を開始した。電源構成に占める原子力発電のウェイトは大きいが、1986年に旧ソ連でチェルノブイリ原子力発電所事故が起こった直後には、伊方原子力発電所での出力調整運転試験に関して、「ニューウェーブ」とよばれた市民参加型の厳しい反対運動にさらされたこともある。資本金1456億円(2008)、売上高5567億円(2008)。販売電力量371億キロワット時(2007年度)。伊方原子力、坂出火力など多数の発電所をもつ。現在、プルサーマル発電を行う準備を進めているが、このプルサーマル発電とは、原子力発電の使用済み燃料から回収したプルトニウムとウランとを混合したMOX燃料(Mixed Oxide=混合酸化物燃料)を、一般的な原子力発電所で再利用することである。

[橘川武郎]

『四国電力株式会社編・刊『四国電力50年のあゆみ』(2001)』『橘川武郎著『日本電力業発展のダイナミズム』(2004・名古屋大学出版会)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四国電力」の意味・わかりやすい解説

四国電力
しこくでんりょく

電力会社。 1951年電気事業再編成令により四国配電と日本発送電の共同出資で設立。電力供給区域は四国4県 (香川,愛媛県の一部を除く) 。年間販売電力量 237億 7194万 kWh。発電設備は認可最大出力 631万 4000kW。原子力発電にも努力を注いでいる。事業内容は,電力 50%,電灯 37%,その他 13%。年間営業収入 5694億 800万円 (連結) ,資本金 1455億 5100万円,従業員数 5555名 (1999) 。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「四国電力」の解説

四国電力

正式社名「四国電力株式会社」。通称「よんでん」。英文社名「Shikoku Electric Power Company, Incorporated」。電力会社。昭和26年(1951)設立。本社は高松市丸の内。供給区域は四国4県。インターネットサービスプロバイダー事業「あかりネット」も運営。東京証券取引所第1部上場。証券コード9507。

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