出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
長崎県北部の佐世保港外から,北松浦半島の西海岸に沿って北へ約25kmにわたって点在する島嶼群。浸食された第三紀層の丘陵が沈水してできたもので,中ほどにある佐々川河口で南九十九島と北九十九島に分けられる。南九十九島には形に妙をえた約90の小島が狭い海面に分布し,北九十九島には比較的大きい約115の島が散在する。島は常緑樹におおわれ,濃い緑を水面に映す様は美しい。1927年大阪毎日新聞社が読者投票で選んだ新日本百景の第1位になった。その後,戦時色が強まり,佐世保軍港の要塞区域となったため,観光地としてクローズアップされたのは第2次大戦後であった。多島海の自然美によって,平戸島,五島列島などとともに1955年西海国立公園に指定された。観光は佐世保市の鹿子前(かしまえ)から出る島巡り遊覧船を利用するか,同市西郊の弓張(ゆみはり)岳や同市の旧小佐々町の冷水(ひやみず)岳の展望台から遠望するのがよい。
執筆者:竹内 清文
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長崎県島原半島の東海岸に散在する島嶼(とうしょ)群。島原市に属する。総面積0.15平方キロメートル。1792年(寛政4)眉山(まゆやま)の大崩壊によって、土石流は海岸一帯を埋め、さらに海面に及び、新しい海岸線は旧海岸線の沖合い870メートルに生じた。旧海岸線近くにあった丘陵はさらに2.2キロメートルの沖合いまで地すべりによって押し出され、多数の島々を生じ、九十九島とよばれている。これらの島々は1822年(文政5)伊能忠敬(いのうただたか)が作製した測量図では59を数え、もっとも遠い甲(かぶと)島は新海岸より1.5キロメートルの沖合いにあったが、明治期には甲島をはじめ十数個の島は消失し、島々は三十数個となり、さらに海食によって浅瀬と化して海底に沈み、現在ではわずかに20個を数えるのみ。櫛形島(くしがたじま)、青木島(あおきじま)、鷹(たか)島、平(ひら)島、竜宮(りゅうぐう)島、兎(うさぎ)島、蛭子(えびす)島、繁(しげ)島、杵(きね)島などがそれで、標高10~20メートルで、軟弱化された安山岩からなり、きわめてもろい。最近島々を保護する堅固な石垣を巡らし、他方では、島原港の防波堤の役目を果たさせようとしている。
[石井泰義]
長崎県北松浦半島(きたまつうらはんとう)の西岸のリアス海岸に散在する大小200余の島嶼(とうしょ)群。佐々浦(さざうら)を境にして、佐世保(させぼ)市南部の海岸部に分布する南九十九島と、平戸(ひらど)瀬戸に面する北九十九島に区分される。これらの島々は、準平原化された第三紀層の丘陵地が海進を受けて、多数の小島となったもので、砂岩と頁(けつ)岩の差別侵食によってケスタ地形(硬軟の互層をなす地層に生ずる侵食地形)を示している。島々は緑の照葉樹林に覆われ、黄色の海食棚をもち、海の青さに映えて絶妙の景色を展開している。明治時代の名曲『美しき天然』は、この島々を背景に作曲されたといわれる。第二次世界大戦前この一帯は要塞(ようさい)地帯とされたが、戦後西海国立公園(さいかいこくりつこうえん)に含まれ、佐世保市鹿子前(かしまえ)港を出航して島々を巡る観光船があり、陸上からは弓張(ゆみはり)岳、石岳、冷水(ひやみず)岳などからの展望が優れている。
[石井泰義]
『『五島列島―九十九島―平戸島学術調査書』(1952・長崎県)』
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…1792年(寛政4)の大地震によって東斜面が崩壊,土砂は島原の町の南半を埋めた。元池,瓢簞(ひようたん)池などの湖沼,新山などの丘陵,さらに有明海中の九十九(つくも)島は,この地震で押し流された土砂により生じたものである。また,このとき生じた津波は対岸の肥後地方にも被害を与えた。…
…現在はタイ,ブリなどの養殖漁業も行われる。沿岸一帯に浮かぶ島々は北九十九島と呼ばれ,西海国立公園に含まれる。【松橋 公治】。…
※「九十九島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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