今めかしい(読み)イマメカシイ

デジタル大辞泉 「今めかしい」の意味・読み・例文・類語

いま‐めかし・い【今めかしい】

[形][文]いまめか・し[シク]《動詞「いまめく」の形容詞化
現代的でしゃれている。現代風である。
「明治二十年代でも―・い洋服を着ていたのであろう」〈芥川点鬼簿
にぎやかだ。
「女官ども内侍ども参りつつ、―・しう人騒がしきに」〈真木柱
軽薄だ。きざっぽい。
「心にくく奥まりたるけはひは立ちおくれ―・しき事を好みたるわたりにて」〈・花宴〉
わざとらしい。
「これは―・しき御諚にて候」〈謡・夜討曽我
[派生]いまめかしげ[形動]いまめかしさ[名]
[類語]今風今様現代的当世風新しい斬新新奇先端的近代的今日的モダンアップツーデート真新しい最新目新しい新た耳新しい最新鋭最先端真っ新新式新機軸一生面初耳新説出来立てほやほやニュー

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精選版 日本国語大辞典 「今めかしい」の意味・読み・例文・類語

いま‐めかし・い【今めかしい】

〘形口〙 いまめかし 〘形シク〙 (動詞「いまめく」の形容詞化したもの)
① 当世風でりっぱだ。現代風でしゃれている。
※宇津保(970‐999頃)楼上下「御いらへ、いまめかしからず心はづかしき程にきこえ給ふ」
② 現代風で、はなやかである。にぎわわし。陽気である。
蜻蛉(974頃)上「下仕(しもづかへ)手振(てふり)などが具しいけば、いろふしにいでたらむ心ちして、いまめかし」
③ 現代風で軽薄である。はなやか過ぎて感心しない。きざっぽい。
源氏(1001‐14頃)花宴「心にくく奥まりたるけはひ立ちおくれ、いまめかしき事を好みたるわたりにて」
④ いまさらめいている。わざとらしい。改まっていて変である。
平家(13C前)三「いまめかしき申事にて候へ共、七代までは此一門をば、いかでか捨させ給ふべき」
[語誌]「古代なり」「古めかし」などと対義的であり、「当世風である」「目新しい」などの時間的側面と、「はなやかである」「にぎやかである」などの価値評価の強い側面との両面を語義として持っている。「源氏物語」ではこの両義性を生かして、場面・状況によって巧みに使い分けているが、中世になると浅薄な面が強調されるようになる。
いまめかし‐げ
〘形動〙
いまめかし‐さ
〘名〙

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