新しい(読み)アタラシイ

デジタル大辞泉 「新しい」の意味・読み・例文・類語

あたらし・い【新しい】

[形][文]あたら・し[シク]上代の「あら(新)たし」が「あたら(可惜)し」と混同して音変化し、平安初期から生じた語》
その状態になってからあまり時間が経過していない。
㋐初めてである。「―・く事業を興す」
㋑できて間もない。使い始めて間もない。「空き地に―・く家が建つ」「―・いステレオ」⇔古い
以前のものと違っている。「顔ぶれが―・くなる」「原稿を―・く書き直す」「―・い制度」「―・い年を迎える」⇔古い
現代的である。進歩的である。また、奇抜である。「―・い感覚」「―・い技術」⇔古い

食べ物などが、新鮮である。「―・い魚」「―・く採れた野菜」⇔古い
㋑まだ生き生きとしている。また、初めてで新鮮である。「記憶に―・い事件」「耳に―・い話」
[派生]あたらしがる[動ラ五]あたらしげ[形動]あたらしさ[名]あたらしみ[名]
[類語](1)(2あら新規(連体修飾語として)さら新調の新型の新式の新来の新手あらて/(3ナウナウいヒップトレンディー斬新新奇現代的先端的モダンアップツーデート真新しい最新目新しい新た耳新しい最新鋭最先端真っ新新式新機軸一生面初耳新説出来立てほやほやニュー/(4瑞瑞みずみずしい新鮮生鮮生新清新フレッシュ鮮度ぴちぴち取れ立て生き生き真新しい初初ういういしい溌剌はつらつ出来立てほやほや生き(事件、情報などについて)生生なまなましいホット最新トレンディー新た目新しい斬新最先端真っさら新味新風新品活気新進新進気鋭新鋭新星

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「新しい」の意味・読み・例文・類語

あたらし・い【新】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]あたら〘 形容詞シク活用 〙 できたてであるさま、今までになかったさま、今までとは違ったさまであるのをいう。あらたし。あらた。⇔古い
  2. 初めてである。ある状態になったばかりである。また以前のものに代わったばかりである。
    1. [初出の実例]「ある人、つかさを賜はりてあたらしき妻(め)につきて、年へて住みける人を捨てて」(出典古今和歌集(905‐914)離別・三七五・詞書)
  3. 物事ができたばかり、また、使い始めたばかりである。使い古されていない。
    1. [初出の実例]「削り氷(ひ)にあまづら入れて、あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる」(出典:枕草子(10C終)四二)
    2. 「この家のかたはらに、檜垣(ひがき)といふものあたらしうして」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
  4. (魚、肉、野菜、また、空気などが)新鮮である。生き生きとしている。濁っていない。
    1. [初出の実例]「やいやいそのすずきの中にも大きいあたらしをあらふて座敷へだせ」(出典:天理本狂言・鱸庖丁(室町末‐近世初))
  5. 今までにないような、変わったおもしろい趣向である。奇抜である。
    1. [初出の実例]「こちの新(アタラ)しひ蛍を飛(とば)してきかせう」(出典:評判記・難波の㒵は伊勢の白粉(1683頃)三)
  6. 今までの物事とは違っている。今までにはなかったものである。現代的、進歩的などの意を含めても用いる。
    1. [初出の実例]「ワガワザバカリ クルシュウデ ヒトワ シンラウノ ナイカト ウラヤミ、ataraxij(アタラシイ) ミチヲ ショウト スルニヨッテ」(出典:天草本伊曾保(1593)大海と野人の事)
    2. 「新しき教育を受けた人を感心さすことは出来まい」(出典:雪中梅(1886)〈末広鉄腸〉下)

新しいの語誌

上代では「新」の意の形容詞は「あらたし」で、「あたらし」は「惜しい」の意であったが、中古初期頃から、「新」の意も「あたらし」の語形となった。ただ、「惜」の意の「あたらし」とはアクセントに違いがあり、別語と考えられる。

新しいの派生語

あたらし‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙

新しいの派生語

あたらし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

新しいの派生語

あたらし‐み
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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