但馬国分寺跡(読み)たじまこくぶんじあと

国指定史跡ガイドの解説

たじまこくぶんじあと【但馬国分寺跡】


兵庫県豊岡市日高町にある寺院跡。円山川中流域の一角にあり、1973年(昭和48)からの発掘調査で、金堂跡とその南方の中門跡、両者を結ぶと推定される回廊跡、金堂の真西に並ぶ塔跡などが確認された。なかでも塔跡の遺存状況は良好で、基壇は1辺約16mの規模をもち、乱石積み基壇化粧の基部が検出されていることから学術的な意義が大きいとされ、1990年(平成2)に国の史跡に指定され、2004年(平成16)には追加指定があった。発掘調査で多く出土している遺物は瓦で、浅く曲がった平瓦と土管を縦に割ったような丸瓦がほとんどを占めるが、全国でも珍しい当時の釣瓶(つるべ)など貴重なものもある。他に全国でも最大級の大井戸(縦横約170cm四方、深さ270cm)も見つかっており、この井戸に使われたヒノキの井桁材に樹皮が残っていたことから、伐採した年が763年(天平宝字7)と判明した。寺は平安中期以降、律令制の崩壊とともに衰退の一途をたどり、『続日本紀』には落雷に見舞われたことも記され、1580年(天正8)に豊臣秀吉が但馬攻略をした際に堂を焼失したが、国中を托鉢して堂を再建したといわれている。JR山陰本線江原駅から徒歩約8分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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