低回(読み)テイカイ

デジタル大辞泉 「低回」の意味・読み・例文・類語

てい‐かい〔‐クワイ〕【低回/××徊】

[名](スル)立ち去りがたいようすで行ったり来たりすること。転じて、いろいろと考えめぐらすこと。
「梓は―して歩を転ずる」〈鏡花湯島詣
[類語]うろつくさすらうさまよう出歩くほっつくほっつき歩くほっつき回るぶらつく徘徊彷徨流浪放浪漂泊流離漂流浮浪右往左往

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精選版 日本国語大辞典 「低回」の意味・読み・例文・類語

てい‐かい‥クヮイ【低回・低徊・彽徊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 思案にふけりながら、頭を垂れてゆっくりと行きつもどりつすること。転じて、いろいろと考えめぐらすこと。
    1. [初出の実例]「荷花冪水映羅繻、画舸低回日欲晡」(出典:江陵詩集(1741)採蓮曲)
    2. 「下人の考へは、何度も同じ道を低徊した揚句に、やっとこの局所へ逢着した」(出典:羅生門(1915)〈芥川龍之介〉)
    3. [その他の文献]〔楚辞‐九章・抽思〕
  3. ひとつの事柄を考えるにあたって、つきつめることはせず、余裕のある態度でいろいろに思考の上でもてあそび味わうこと。→低徊趣味
    1. [初出の実例]「そこで手紙が来た時丈は、暫く此世界に彽徊(テイクヮイ)して旧歓を温める」(出典:三四郎(1908)〈夏目漱石〉四)
  4. 低空を飛びまわること。

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普及版 字通 「低回」の読み・字形・画数・意味

【低回】ていかい(くわい)

たちもとおる。〔史記、孔子世家論賛〕余(われ)孔氏の書を讀み、其の人と爲(な)りを想見す。魯に(ゆ)き、仲尼堂・車・禮生時を以て禮を其の家にふを、余低回して之れに留まり、去ること能はざりき

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