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滋賀県北部,長浜市の旧余呉町にある湖。和歌には〈よごのうみ〉と詠まれる。琵琶湖と同じく断層による陥没湖。南北に長い楕円形の湖で,北岸を除いて三方を山で囲まれ,南岸の賤ヶ岳(しずがたけ)によって琵琶湖と隔てられている。面積1.97km2,周囲6km,最大水深13mで,湖面標高132mは琵琶湖より約50m高い。透明度が高く湖面が静かなため,古くは鏡湖とも呼ばれた。《帝王編年記》養老7年(723)の条に,余呉湖の羽衣伝説が記されており,天女が羽衣を掛けた木という柳の大木が北岸にある。琵琶湖国定公園に属し,湖の周辺に国民宿舎,野外活動センターなどがあり,四季を通じて行楽客が多い。余呉湖は現在,琵琶湖に注ぐ余呉川の洪水防止と湖北平野の農業用水確保を目的としたダム湖の役割を果たしている。すなわち導水路によって余呉川上流および琵琶湖の水を余呉湖に貯水し,渇水時には放水路で余呉湖の水を湖北平野に導き灌漑する。湖ではコイ,フナ,モロコ,ワカサギ,ナマズなどを産する。
執筆者:井戸 庄三
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滋賀県北部、長浜市(ながはまし)にある陥没湖。面積1.82平方キロメートル、南北2.3キロメートル、東西1.2キロメートル、周囲6.45キロメートル、最大深度13.3メートル(平均深度7.4メートル)、貯水量1470万立方メートル。水面標高は132.8メートルで、琵琶(びわ)湖より48メートル高い。南の賤ヶ岳(しずがたけ)によって琵琶湖と隔てられているが、古くは、琵琶湖を「大江(おおえ)」とよぶのに対し、「伊香(いかご)の小江(おえ)」とよばれ、また透明度の高い湖として「鏡湖」ともよばれた。数多くの歌にも詠まれた名勝の地でもある。『帝王編年記』養老(ようろう)7年に羽衣伝説(はごろもでんせつ)が記されており、天女が羽衣を掛けたという「衣掛柳」が現在も北岸にある。余呉湖をダム化して治水・利水に役だてようとする計画は古くからあったが、1953年(昭和28)の余呉川洪水を契機として余呉川開発事業や湖北農業水利事業が実施され、現在では余呉湖導水路と飯浦(はんのうら)送水隧道(ずいどう)によって余呉川と琵琶湖の水が余呉湖に貯水され、洪水調節、灌漑(かんがい)用水池として重要な役割を果たしている。
[高橋誠一]
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