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侯方域 こうほういきHou Fang-yu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

侯方域
こうほういき
Hou Fang-yu

[生]万暦46(1618)
[没]永暦8(1654)
中国,明末清初の文学者。河南省商邱の人。字,朝宗。号,雪苑。父侯恂 (こうじゅん) をはじめ,一族すべて東林党で,父とともに従軍し,明末の混乱期の南京で,方以智らとともに「四公子」といわれた。宦官派の阮大せい (げんだいせい) との争い,妓女李香君との恋愛は,孔尚任の戯曲『桃花扇』の主題となっている。明の滅亡後は郷里にあって清朝に仕えず,文学に打込んだ。帰有光らのあとをうけて唐宋古文に学び,若い頃文学結社「復社」にあって華麗で才気あふれる名文家としてうたわれた。清初に,魏禧 (ぎき) ,汪えん (おうえん) とともに「古文三大家」と称され,日本でも明治維新の志士の間で愛読された。『壮悔堂文集』がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうほういき【侯方域 Hóu Fāng yù】

1618‐54
中国,明末・清初の詩人,散文家。字は朝宗。河南省商丘の名門の子息。明朝崩壊(1644)のころは南京で正義派青年文化人として阮大鋮(げんだいせい)ら腐敗官僚と争った。その中で出会った聡明な妓女を《李姫伝》に,技芸の上達に苦心する俳優を《馬伶伝》に描くなど,明末知識人の庶民への関心を短編小説的な伝記にあらわして,魏禧(ぎき)らとともに清代初期の散文を飾る。孔尚任《桃花扇伝奇》では主人公として登場する。【松村 昂】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

侯方域
こうほういき
(1618―1654)

中国、明(みん)末清(しん)初の文人。字(あざな)は朝宗、号は雪苑(せつえん)。河南省商邱(しょうきゅう)の出身。明末の政治結社、東林党の指導者恂(じゅん)を父にもち、復社の名士と交際した。宦官(かんがん)党やその一派に対抗し、名声は一世にとどろいたが政治家としては不遇に終わる。名妓(めいぎ)李香君(りこうくん)との恋愛は、孔尚任(こうしょうじん)の戯曲『桃花扇伝記』に描かれて文学モデルとしても知られる。彼の伝記の文章中に「宋姫伝(そうきでん)」があって、2人のロマンスを実証している。文章作家としては唐宋派に属しており、才気の横溢(おういつ)した華麗でしかも豪放な作風である。魏禧(ぎき)、汪(おうえん)とともに清初の三大古文作家に数えられる。清朝風はまだ顕著ではなく、明の気風を残している。『壮悔堂(そうかいどう)文集』がある。[佐藤一郎]

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