翻訳|gold
金属元素鉱物の一つ。金(Au)のもっとも重要な鉱石鉱物。各種熱水鉱床、漂砂鉱床(砂金)、先カンブリア紀の含金礫岩(れきがん)、接触交代鉱床(スカルン型鉱床)などに産する。自形は正八面体、立方体、斜方十二面体あるいはその聚(しゅう)形、斜方十二面体。多くは粒状、シダ状、毛あるいは髭(ひげ)状など。副成分として銀(Ag)を多量に含むものはエレクトラムelectrumとよばれ、浅所生成鉱床に多くみられる。日本では、北海道紋別市鴻之舞(こうのまい)鉱山(閉山)、同千歳(ちとせ)市千歳鉱山(閉山)、宮城県気仙沼(けせんぬま)市大谷(おおや)鉱山(閉山)、新潟県佐渡鉱山(閉山)、静岡県伊豆(いず)半島の土肥(とい)鉱山(閉山)、鹿児島県串木野(くしきの)鉱山、同菱刈(ひしかり)鉱山などから産出したものが有名。漂砂鉱床(砂鉱)として産する砂金は、そうでないもの(いわゆる山金(やまきん))に比べ金品位が高い。
[加藤 昭 2016年9月16日]
自然金
英名 gold
化学式 Au
少量成分 Ag,Hg,Cu
結晶系 等軸
硬度 2.5~3
比重 19.33~15
色 黄金。銀含量が上がるとやや白くなる
光沢 金属
条痕 黄金
劈開 無
(「劈開」の項目を参照)
その他 展延性顕著。空気中で錆びない
gold
化学組成Auの鉱物。Agとは連続固溶体をつくり,中間のものをエレクトラムという。またCuとは部分固溶体をつくる。立方晶系,空間群Fm3m,格子定数a0.40781nm, 単位格子中4原子含む。黄金色不透明で金属光沢のある六面体・八面体・十二面体結晶,通常は網状・樹枝状・糸状さらに塊状など,(111)で双晶を形成。劈開なし,断口切刻状,展性・延性強い,硬度2.5~3,比重19.3。反射顕微鏡下では黄金色,反射等方性。融点1,062℃,王水に溶ける。各種金銀鉱床(接触交代鉱床,熱水鉱脈鉱床)に産し,砂鉱としてもみられる。Auの鉱石となる。
執筆者:青木 義和
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
… 古くから使用された理由は,大部分単体の形で産出するからである。これを自然金という。自然金の品位は65~99%程度で,おもに銀との合金(エレクトラム)である。…
…30種以上の元素鉱物が知られている。元素鉱物には,自然金Au,自然銀Ag,自然銅Cu,自然鉄Fe,自然ニッケル鉄(Ni,Fe),自然白金Pt,自然ルテニウムRu,イリドスミン(Os,Ir),オスミリジウム(Ir,Os)などの金属元素鉱物,自然ヒ(砒)(別名,自然ヒ素)As,自然アンチモンSb,アレモン鉱AsSb,自然ソウ鉛Bi,自然テルルTeなどの半金属元素鉱物,および自然硫黄S,グラファイトC,ダイヤモンドCの非金属元素鉱物の3亜類がある。自然金は,各種金銀鉱床(熱水鉱脈鉱床,接触交代鉱床)中におもに石英に伴われて産する。…
※「自然金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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