八体(読み)ハッタイ

デジタル大辞泉の解説

はっ‐たい【八体】

漢字の8種の書体。諸説あり、漢代の「説文解字」では、秦の八体として大篆(だいてん)・小篆(しょうてん)・刻符・虫書・摹印(ぼいん)・署書・殳書(しゅしょ)・隷書(れいしょ)を挙げる。
発句(ほっく)を風姿のうえから分類した8種の体。幽玄・有心・無心・悠遠・風艶・風情(ふぜい)・寓言・風曲。
連句の付け方の8種。→七名(しちみょう)八体

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世界大百科事典 第2版の解説

はったい【八体 bā tǐ】

漢字の書体8種をいう。一つは〈説文解字序〉に見える〈秦書八体〉で,大篆(だいてん),小篆,刻符,虫書,摹印(ぼいん),署書,殳書(しゆしよ),隷書(れいしよ)をいう(秦書)。一つは唐の張懐瓘(ちようかいかん)の《書断》に見える〈八体〉の語。たとえば,欧陽詢(おうようじゆん)を評して〈八体ことごとく能(よ)くす〉などの例がある。その細目については,とくに記述はないが,彼のあげる十体書の目の中から,古文と大篆を除いた籀文(ちゆうぶん),小篆,八分(はつぷん),隷書,章草,行書,飛白(ひはく),草書の八体を指すようである。

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大辞林 第三版の解説

はったい【八体】

漢字の八種の書体。諸説あり、古文・大篆だいてん・小篆・隷書れいしよ・飛白・八分・行書・草書、あるいは大篆・小篆・刻符・虫書・摹印ぼいん・署書・殳書しゆしよ・隷書。
俳句を風姿により分類した八種の体。すなわち、幽玄体・有心体・無心体・悠遠体・風艶体・風情体・寓言体・風曲体のこと。
連句の付け方の八種。 → 七名しちみよう八体

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精選版 日本国語大辞典の解説

はっ‐たい【八体】

〘名〙
① 漢字の八種類の書体。諸説あるが、「漢書‐芸文志」および許慎の「説文解字序」によれば、大篆(だいてん)・小篆(しょうてん)・刻符・虫書・摹印(ぼいん)・署書・殳書(しゅしょ)・隷書(れいしょ)をさす。〔性霊集‐四(835頃)〕
※古今著聞集(1254)七「凡六文八体のすがたをあらはす輩」 〔沈約‐斉故安陸昭王碑文〕
発句を風姿の上から分類した八種類の体。幽玄・有心・無心・悠遠・風艷・風情(ふぜい)・寓言・風曲をさす。
※俳諧・有也無也関(1764)発句八躰之事「右発句八躰の事は自他の句躰何々と見定めよくその趣向を改め脇に及ばすべきの鏡なり」
③ 連句の付け方の八種類。其人(そのひと)・其場(そのば)・時節・時分・天相・時宜・観相・面影をさす。支考の説いた説。〔俳諧・俳諧古今抄(1730)〕

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世界大百科事典内の八体の言及

【書体】より


[書体分類の沿革]
 (1)漢魏六朝 書体の分類が中国で最初に試みられるのは後漢時代で,80年ころ成立の《漢書》芸文志で,古文,奇字,篆書,隷書,繆篆(びゆうてん),虫書の六体をあげる。次に,100年ころの成立とされる許慎《説文解字》叙には,秦の八体として,大篆,小篆,刻符,虫書,摹印(ぼいん),署書,殳(しゆ)書,隷書をあげ,新(しん)の六書として,古文,奇字,篆書,佐書,繆篆,鳥虫書をあげている。およそ書体を分類することは,それを試みる時点にみられる文字資料を形態,新旧,記録素材,用途等によって分類したもので,その分け方の基準や呼称もこのころはまだ統一されていない。…

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