デジタル大辞泉
「円か」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
まど‐か【円か】
① まるいさま。
※蘇悉地羯羅経略疏寛平八年点(896)七「
方言には筐の員
(マトカ)なるを筥と曰ふ」
② おだやかなさま。やすらかなさま。円満。安穏。
※大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃)「楽しみ囿(マトカ)にして斑を馴つけ」
[語誌](1)「まと」は「またし(全)」と同根で、
円環が完成した状態を意味する。類義の語根に「まろ」があって、「まろに」「まろかす」「まろかる」などの語類を形づくっている。
(2)「まと」が円状をいうのに対して「まろ」は球状を意味したが、語形と意味の
類似から、やがて
両者は通じて用いられるようになる。
(3)室町期のキリシタン資料で普通に見られるのは、
清音「まとか」で、この頃までは清音と
濁音が共におこなわれていたことがうかがわれる。江戸時代以後濁音が一般化した。
つづら‐か【円か】
〘形動〙 (「か」は接尾語。「つづらめ(瞿)」などと同語源) 驚き・恐れなどで目を大きく見開いて、きょろきょろさせるさま。
※
霊異記(810‐824)下「椽見て、目漂青
(ツツラカニ)、面赫然
(おもほてり)して、驚き恐りて隠る〈真福寺本訓釈 漂青 ツツ良可爾〉」
つぶら‐か【円か】
〘形動〙 (「か」は接尾語) まるいさま。まるくてふっくらとしたさま。また、つぶらなさま。
※浜田本宇津保(970‐999頃)国譲下「いとつぶらかにしろく肥え給へり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報