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刑の一部執行猶予制度 けいのいちぶしっこうゆうよせいど

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

刑の一部執行猶予制度
けいのいちぶしっこうゆうよせいど

懲役刑や禁錮(きんこ)刑を一定期間受刑させたのち、残りの刑期の執行を猶予する制度。受刑者の社会復帰促進や、保護観察による再犯防止などを目的とする。2013年(平成25)6月に公布された「刑法等の一部を改正する法律」(平成25年法律第49号)による改正刑法および「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律」(平成25年法律第50号)に定められ、2016年6月までに施行される。
 具体的には以下のような基準となる。対象となるのは、(1)前に禁錮以上の実刑に処せられたことがない者、(2)前に禁錮以上の刑に処されたことがあっても、その執行終了等の日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者のいずれか。適用されるケースは、3年以下の懲役または禁錮の言渡しを受けた場合に、犯罪の経緯に関する事情などを考慮して再犯防止のために必要かつ相当であると認められるとき。可能とされる処置は、刑の一部について1年以上5年以下の期間の執行猶予である。猶予期間中は、保護観察を適用することもできる。
 一方、「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律」には、麻薬などの薬物の自己使用等の罪を犯した者が、3年以下の懲役または禁錮の言渡しを受けた場合について定められている。猶予の方法・期間は、改正刑法に定められるものと同様であるが、猶予期間中は、必ず保護観察が行われる。
 改正前の制度では、懲役刑または禁錮刑の処分を行う場合、刑期全部について、実刑か執行猶予かの選択肢しかなく、短期の実刑を言い渡される場合には、再犯防止・改善更生の教育や指導をするために必要とされる十分な仮釈放期間を取ることも困難である。しかし、刑の一部執行猶予制度の導入により、一定期間施設内処遇(刑務所内での執行)を実施したのち、相応の期間を執行猶予として、一般社会でも犯罪を犯すことなく生活するよう社会内処遇(保護観察など)を実施できるようになる。
 改正刑法では、同時に、保護観察の特別遵守事項の類型に社会貢献活動を加える法整備も行われる。社会貢献活動に従事することにより、再犯防止・改善更生を図る目的がある。[編集部]

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

刑の一部執行猶予制度

刑期の途中から社会で生活し、誘惑に負けない力をつけることで立ち直りを促す制度。2016年6月までに施行される。初犯や薬物使用者などに3年以下の懲役、禁錮を言い渡す場合、一部の刑期は刑務所で服役させ、残りの執行を猶予できる。この制度により、保護観察者は全国で年間3千人ほど増えるとされている。

(2015-12-13 朝日新聞 朝刊 香川全県・1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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