勝つ(読み)カツ

デジタル大辞泉 「勝つ」の意味・読み・例文・類語

か・つ【勝つ/克つ/×贏つ】

[動タ五(四)]
戦ったり競い合ったりした結果、相手より優位な立場を占める。競争相手を負かす。勝利を得る。「喧嘩けんかに―・つ」「販売競争に―・つ」「ストレートで―・つ」⇔負ける
比べてみて、相手よりまさる。「学力では彼のほうが―・っている」⇔負ける
利益を得る。もうける。「ばくちで―・った金」⇔負ける
全体の中で、その要素傾向が他より強く認められる。まさっている。「赤みの―・った色」「理性の―・った人」
仕事・責任などが、その人の力量を超えている。「その仕事は私には荷が―・っている」
(克つ)そうしたい欲求などを、努力して抑える。また、努力して困難な状態を切り抜ける。うちかつ。「誘惑に―・つ」「己に―・つ」「難病に―・つ」⇔負ける
[可能]かてる
[下接句]碁に負けたら将棋に勝て小舟に荷が勝つ天定まってまたく人に勝つ年には勝てない泣く子と地頭には勝てぬ荷が勝つおおければ天に勝つ
[類語]打ち勝つ競り勝つ打ちのめす打倒勝利戦勝凱旋制覇凱歌を揚げる軍配を上げる

かつ【勝つ】

《動詞「勝つ」を名詞として用いたもの》歌合わせなどに勝つこと。
「よろづ皆おしゆづりて、左―になりぬ」〈絵合

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勝つ」の意味・読み・例文・類語

か・つ【勝・克・贏】

  1. 〘 自動詞 タ行五(四) 〙
  2. 戦って敵を破る。⇔負ける
    1. [初出の実例]「正哉(まさにや)(あれ)(カチぬ)」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
  3. 優劣を競って、他にすぐれたことを示す。まさる。
    1. [初出の実例]「乎久佐乎(をくさを)と乎具佐受家乎(をぐさずけを)と潮舟の並べて見れば乎具佐可知(カチ)めり」(出典:万葉集(8C後)一四・三四五〇)
  4. 獲得する。利益を得る。もうける。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「そいつを元手に、大勝負、勝つ程にける程に、持丸長者とはおれが事」(出典:浄瑠璃・神霊矢口渡(1770)四)
  5. ( 克 ) 押えがたい欲求などを努力して押える。心に働く強い力を押える。
    1. [初出の実例]「其の事を聞き已りて、悲しび噎(むせ)びに勝(カチ)えず」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)
  6. 困難な状況に抗して、それを克服する。特に病気についていう。
    1. [初出の実例]「どうして病ひにはかたなんだか」(出典:滑稽本・六阿彌陀詣(1811‐13)初)
  7. その傾向が強い。
    1. [初出の実例]「『おれだってもちっとは色気があらうぢゃアねへか』『食気の方が勝(カッ)て居らァ』」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)

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