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募役法 ぼえきほうMu-yi-fa; Mu-i-fa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

募役法
ぼえきほう
Mu-yi-fa; Mu-i-fa

中国,宋の王安石新法の一つ。宋代には農村の租税徴収,治安維持,官物の輸送などに農民を徴発する差役法が実施され,中小地主や自作農の過重な負担となっていたが,その改善策として王安石が神宗の煕寧3 (1070) 年から実施したもの。農民の力役の代りに免役銭を出させ,これを財源に政府が失業者を低賃金で雇う方法であるが,従来免役の特権をもっていた官戸寺観,商人などからも約半額の助役銭を出させたので,これらの人々の反感を買うことになった。

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デジタル大辞泉の解説

ぼえき‐ほう〔‐ハフ〕【募役法】

中国宋代、王安石の新法の一。郷村の力役負担を軽くするため、賦役免除の代わりに徴収した免役銭・助役銭によって、希望者を募って力役にあてたもの。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼえきほう【募役法 Mù yì fǎ】

中国,北宋王安石の新法の一つで,職役(しよくえき)の銭納化政策をいう。宋代,土地財産を持つ農民(主戸)はその所有高により九等の戸等に分けられ,上四等戸は職役を強制された。職役とは,租税や戸口台帳の作成,徴税業務と徴収した米穀などの運搬,警察の捕手(とりて)など,単純な力役より一歩進んだ徭役を指す。地方行政に必要な経費が国家予算に計上されていない当時,それは地方費の現物納という性格をもっていた。ただ官戸や寺観は免役の特権を与えられ,いっぽう就役した農民は官員胥吏(しより)と接触する現場で不当搾取をうけ,あるいは賠償責任などで没落することが多かった。

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大辞林 第三版の解説

ぼえきほう【募役法】

中国、宋の王安石の新法の一。賦役を免除した農民から免役銭を、課役されない官吏・寺院などから助役銭を徴し、政府が希望者を雇って賦役に当てる方法。賦役軽減策として新法中特に合理的とされた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

募役法
ぼえきほう

中国、北宋(ほくそう)の政治家、王安石(1021―86)の新法の一つ。北宋前期、郷村での徴税や治安維持は、有力農民が順番に担当する差役(さえき)法によっていたが、負担が重く、破産する農民も多かった。王安石は租税の管理、運搬などの役(えき)を、人民を募って給料を与える方式に改めた。そのために、従来役負担のなかった下等主戸や有力な客戸、および官戸、寺観、商人からも免役銭または約半額の助役銭を徴収し、寛剰(かんじょう)銭として2割を加徴してその財源にあてた。[島居一康]

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世界大百科事典内の募役法の言及

【賦役】より

…賦課の基準は主として資産によって区分された5等級の戸等であった。官人などの支配身分の者は一定範囲で免役の特権をもち,そのため社会問題を惹起し,この矛盾の解決をはかった王安石の募役法は,徭役に服する代りに免役銭を納めさせ,また従来,役を免除されていた者にも助役銭を出させ,これらを財源として必要な労働力を雇用するものであった。流通経済の発展にともなう合理的な改革であったから,王安石の失脚後一時廃されたこともあるが,やがて復活して南宋時代にも維持された。…

※「募役法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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