十三代集(読み)ジュウサンダイシュウ

デジタル大辞泉 「十三代集」の意味・読み・例文・類語

じゅうさんだい‐しゅう〔ジフサンダイシフ〕【十三代集】

二十一代集うち初め八代集を除いた勅撰和歌集。鎌倉・室町時代にできた、新勅撰しょく後撰続古今続拾遺新後撰玉葉続千載続後拾遺風雅新千載新拾遺新後拾遺新続古今の13集。

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精選版 日本国語大辞典 「十三代集」の意味・読み・例文・類語

じゅうさんだい‐しゅうジフサンシフ【十三代集】

  1. 二十一代集のうち、初めの八代集を除いた一三の勅撰和歌集。新勅撰集・続後撰集・続古今集続拾遺集新後撰集玉葉集続千載集・続後拾遺集風雅集新千載集・新拾遺集・新後拾遺集・新続古今集の称。また、八代集に、新勅撰集・続後撰集・続古今集・続拾遺集・新後撰集を加えて一三とする説もある。〔異制庭訓往来(14C中)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「十三代集」の意味・わかりやすい解説

十三代集 (じゅうさんだいしゅう)

勅撰和歌集二十一代集)のうち,第9集以後の《新勅撰和歌集》《続(しよく)後撰和歌集》《続古今和歌集》《続拾遺和歌集》《新後撰和歌集》《玉葉和歌集》《続千載和歌集》《続後拾遺和歌集》《風雅和歌集》《新千載和歌集》《新拾遺和歌集》《新後拾遺和歌集》《新続古今和歌集》の13の集をいう。

 勅撰和歌集は,八代集の最後を飾る《新古今集》で芸術至上主義的な極致に達し,その後は歌の家としての権威を確立した御子左(みこひだり)家,特にその嫡流二条家の主導で,平明を基調として展開する。藤原定家が1235年(嘉禎1)に撰じた《新勅撰集》は平淡な歌風を特色とするが,藤原為家撰の《続後撰集》(1251)はそれをいっそう進めて,内面的な深みのある平淡な歌風を確立する。その歌風は《続古今集》《続拾遺集》《新後撰集》に継承された。二条家の平明な歌風に対し,御子左家庶流の京極(きようごく)家の藤原為兼(ためかね)は,素朴で官能的な歌風を主張して《玉葉集》(1312)を撰じたが,これに続く,二条家の人々が撰者となった《続千載集》《続後拾遺集》では,京極派の歌風を加味しつつも,ふたたび二条家の歌風に帰っている。花園院監修・光厳院撰の《風雅集》(1349)は,京極派風の傾向を有するとともに,和歌を古道の風に帰せしめる意図で編まれている。その後の《新千載集》など二条家の人々の撰による3集は,二条家風の幽玄・平淡な歌風に加えて,末法思想の影響がより明瞭にみられるようになり,また,修行によってより高い精神に到達しようとする道としての〈歌道〉の立場からの象徴主義・神秘主義的な傾向が強くあらわれ,閑寂の歌風を実現した。それらの特徴は,二条派末流の飛鳥井雅世(あすかいまさよ)が1439年(永享11)に撰じた最後の勅撰和歌集《新続古今集》に最もよくあらわれている。
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百科事典マイペディア 「十三代集」の意味・わかりやすい解説

十三代集【じゅうさんだいしゅう】

勅撰和歌集のうち八代集以後のものをいい,合わせて二十一代集という。《新勅撰和歌集》《続後撰和歌集》《続古今和歌集》《続拾遺和歌集》《新後撰和歌集》《玉葉和歌集》《続千載和歌集》《続後拾遺和歌集》《風雅和歌集》《新千載和歌集》《新拾遺和歌集》《新後拾遺和歌集》《新続古今和歌集》の13集。鎌倉初期〜室町初期に出た勅撰集で,京極派主導の《玉葉集》《風雅集》を除いて二条家の主導のもとに撰進されたもので,その名の示すように平安朝和歌の伝統上にある,平明な歌を集めた歌集が多い。
→関連項目勅撰和歌集二十一代集

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十三代集」の意味・わかりやすい解説

十三代集
じゅうさんだいしゅう

勅撰和歌集の第9番目の『新勅撰集』から第 21番目の『新続古今集』まで 13の和歌集の総称。『新勅撰集』『続後撰集』『続古今集』『続拾遺集』『新後撰集』『玉葉集』『続千載集』『続後拾遺集』 (以上鎌倉時代) ,『風雅集』『新千載集』『新拾遺集』『新後拾遺集』 (以上南北朝時代) ,『新続古今集』 (室町時代) をさす。『古今集』以下『新古今集』までの八代集にこれを加えたものを二十一代集という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「十三代集」の意味・わかりやすい解説

十三代集
じゅうさんだいしゅう

勅撰和歌集

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とっさの日本語便利帳 「十三代集」の解説

十三代集

→「二十一代集」

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世界大百科事典(旧版)内の十三代集の言及

【勅撰集】より

…〈読人知らず〉を除いて約3000人の作者,約3万5000首を収めた大詞華集群である。《古今集》《後撰集》《拾遺集》を三代集,《古今集》から《新古今集》までを八代集,《新勅撰集》から《新続古今集》までを十三代集,すべてを合わせて二十一代集という。【新井 栄蔵】。…

※「十三代集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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