原子力規制庁(読み)げんしりょくきせいちょう(英語表記)Nuclear Regulatory Agency

百科事典マイペディアの解説

原子力規制庁【げんしりょくきせいちょう】

環境省の外局として設置された原子力委員会の事務局を担う国の機関。2011年3月の東京電力・福島第一原発事故で,原子力発電を推進する資源エネルギー庁とこれを規制・チェックすべき機関である原子力安全・保安院がともに経済産業省に属してきたことで,規制機関がその機能を果たしていないとの疑問と強い批判が出された。野田佳彦内閣は,2012年1月,〈原子力の安全の確保に関する規制の一元化〉との観点から,〈原子力の安全の確保に関する組織及び制度を改革するための環境省設置法等の一部を改正する法律案〉および〈原子力安全調査委員会設置法案〉を閣議決定,原子力規制庁の新設の目処は2012年4月とした。2012 年6月,民主・自民・公明の3党は,自民・公明が提出していた,原子力規制委員会設置法案と併せて,三会派の共同提案を作成することで一致,新たに原子力規制委員会設置法案が提出された。同法案では,環境省の外局として原子力規制委員会を設置し,同委員会の事務局として原子力規制庁を置くこと,原子力規制委員会の独立性を高めることを定めている。2012年6月15日,衆議院で,同20日に参議院で可決された。2012年9月の原子力委員会発足にともない,原子力規制庁が発足した。
→関連項目伊方原発原子力発電日本原子力発電[株]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

原子力規制庁
げんしりょくきせいちょう

原子力の安全確保を一元的に担う政府機関である原子力規制委員会を支える事務局。英語名はNuclear Regulation Agency。2011年(平成23)3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえ、2012年6月に成立した原子力規制委員会設置法(平成24年法律第41号)に基づき、同年9月に設置された。重大な原発事故への対処や原発の審査・検査などの実務を担う。内閣府の原子力安全委員会や経済産業省の原子力安全・保安院、文部科学省の放射線モニタリング部門などの縦割り行政組織を統合して発足した。
 事務局長である原子力規制庁長官には、警視総監を務めた池田克彦が初代としてついた。原子力発電所事故時など緊急時のまとめ役となる「緊急事態対策監」のほか、災害時の住民の安全確保にあたる「原子力地域安全総括官」、原子炉の審査・検査を担当する「安全規制管理官」などを置いた。
 アメリカ、フランスなどでは、原子力の安全性を確保する規制機関と、原子力行政の推進機関を別々に設けている。福島第一原発事故の反省から、民主党は2012年度の通常国会で、既存の経済産業省などから独立した規制組織として、原子力規制庁を設ける構想であった。しかし自民党や公明党などは、政治の影響を受けない、より独立性の高い組織にすべきだと反論した。この結果、三条委員会として、独自の予算権限や人事権限などをもつ原子力規制委員会が誕生し、原子力規制庁はこの事務局となった。[編集部]

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