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古活字版 こかつじばん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

古活字版
こかつじばん

近世に入ってから行われた活字版をいう。代表的な活字には2種あり,朝鮮から入ってきたものと,イエズス会宣教師がもたらしたものとである。文禄1 (1592) 年の文禄の役に際して,遠征した日本軍が朝鮮から活字による印刷術を伝えた。それによって,後陽成天皇が同2年に勅版「古文孝経」を印刷した。一方,イエズス会の宣教師は,天正 18 (90) 年活字印刷技術を伝え,教義書の翻訳や日本の古典の印刷に使用された (→キリシタン版 ) 。古活字版は,江戸時代前期の慶長~慶安 (1596~1652) の頃まで印刷の主流であり,主として木活字が使われた。

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デジタル大辞泉の解説

こ‐かつじばん〔‐クワツジバン〕【古活字版】

文禄年間(1592~1596)から慶安年間(1648~1652)ごろにかけて、木活字または銅活字で印刷・刊行された書物総称古活字本

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百科事典マイペディアの解説

古活字版【こかつじばん】

1592年,文禄の役(文禄・慶長の役)の時,朝鮮から日本に初めて銅活字が渡来,その影響で木版印刷に代わって銅活字,木活字による印刷が盛んとなり,角倉素庵,本阿弥光悦らの嵯峨本などを生みつつ,寛永年間以後,再び木版印刷が盛んになるまでおよそ50年間続いた。
→関連項目駿河版伏見版

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世界大百科事典 第2版の解説

こかつじばん【古活字版】

文禄・慶長(1592‐1615)から寛永(1624‐44)にかけてのおよそ50年間に開版された木活字による印刷本をいう。文禄・慶長の役により日本に将来された朝鮮の銅活字と銅活字本は,それまで整版(木版)印刷一本だった日本の開版界に,銅活字の新鋳を促し,新たに木活字を生んで,これが少部数の印刷に便利であったため95%までがこの新様式を採用するという大きな変貌をもたらし,古活字版時代を生んだ。各種の勅版をはじめとして,角倉(すみのくら)素庵(光昌),本阿弥(ほんあみ)光悦らによって一連の美術的な国書である嵯峨本などの開版を生む。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

古活字版
こかつじばん

桃山時代の文禄(ぶんろく)年間(1592~96)から江戸時代初期の慶安(けいあん)年間(1648~52)に至る60年間に出版された活字印本。わが国における書物の印刷は、16世紀末まではすべて版木による整版印刷であった。活字による印刷が行われるようになったのは、16世紀末、ヨーロッパと朝鮮から前後して活字印刷技術が伝えられてからであるが、ことに文禄の役を契機に朝鮮より伝来した印刷方式は、わが国の出版事業に一大飛躍を促した。まず1593年(文禄2)に後陽成(ごようぜい)天皇勅版『古文孝経(こぶんこうきょう)』が出版され、以降活字による印刷は同天皇による慶長(けいちょう)勅版、徳川家康の伏見(ふしみ)版・駿河(するが)版、京洛(けいらく)の各寺院、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)らの嵯峨(さが)本へと広がり、一時は整版印刷を圧倒して古活字版時代を形成したのである。特筆すべきは、これまで写本の形で伝えられた日本の古典をはじめ、当時の新著、創作までも続々と活字印刷化されるようになったことである。[金子和正]

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世界大百科事典内の古活字版の言及

【本】より

…08年には本阿弥光悦の考案で《伊勢物語》,続いて《観世流謡曲百番》が印刷され,光悦版下とみられるものは31種に及び美術史上も注目されるが,その他《源氏物語》など角倉素庵本とみられるものもある(嵯峨本)。このように古活字版は慶長から寛永(1624‐44)前半までの35年間に300点以上も出版されたといわれるが,その背景には戦国争乱を経て勃然としてわき起こった書籍の需要があった。
[書店出版の時代]
 活字版は一版ごとに組み直し,校正の労がはなはだしいので,増大する需要のもとでしだいに旧の整板(一枚彫)になっていった。…

※「古活字版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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