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史部 フヒトベ

世界大百科事典 第2版の解説

ふひとべ【史部】

大和朝廷の下における文筆専門職の氏族,あるいはそれらの氏族の職務遂行の必要のために置かれた部(べ)。〈史戸〉とも書く。《日本書紀》雄略2年10月条に〈この月,史戸と河上舎人部を置く。天皇(中略)ただ愛寵するところは,史部の身狭村主青(むさのすぐりあお),檜隈民使博徳(ひのくまのたみつかいはかとこ)等なり〉とあるのが,大化以前の史料にみえる唯一の例で,この中の史戸は部とみることができるが,史部のほうは青や博徳を部民とみるわけにはいかないから,文筆専門職の氏族の意とするほかはない。

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大辞林 第三版の解説

ふびとべ【史部】

応神天皇の時、百済くだらから渡来したといわれる王仁わにと阿知使主あちのおみの一族で、文書・記録をつかさどった部民べみん。王仁の子孫を西史部かわちのふびとべ、阿知使主の子孫を東史部やまとのふびとべという。ふむひとべ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

史部
ふひとべ

古代の部(べ)の一種。朝廷において文筆にかかわる職務に携わったトモの集団である。ほとんどが大陸や半島よりの渡来人の系譜をひくものとみられる。一般の部とは異なり、姓(かばね)「史」を賜り称している。「東西史部(やまとかわちのふひとべ)」と称せられるように、大和(やまと)(奈良県)に本拠を置く倭漢直(やまとのあやのあたい)氏一族の文直(ふみのあたえ)氏と、河内(かわち)(大阪府)に本拠を置く西文首(かわちのふみのおびと)氏が二大勢力を構成していた。ところが6世紀以降、新たに渡来した王辰爾(おうしんに)の後裔(こうえい)を称する船史(ふなのふひと)、津(つ)史、白猪(しらい)史の諸氏が勢力を伸ばし、西文首氏に同化、しだいに史部を独占するに至った。[大橋信弥]

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世界大百科事典内の史部の言及

【四部分類】より

…経,史,子,集の4部に分ける。経部は,四書五経など儒家の経典とその注釈書および字書,韻書など語学書,史部は,歴史関係書で地理も含める。子部は,儒家も含めて法家,道家などの諸子および農学,医学,芸術などの技術書,集部は,詩文集から戯曲,小説に至るまで文学書を収める。…

【部民】より

…部として,畿内やその周辺に居住する帰化氏族,その他を任ずる錦織部(にしこり∥にしごりべ)(絹織物の生産に従う),衣縫部(きぬぬい∥きぬぬいべ)(衣服の縫製に従う),鍛冶部(かぬち∥かぬちべ)(鉄と兵器の生産に従う),陶作部(すえつくり∥すえつくりべ)(陶器の製作に従う),鞍作部(くらつくり∥くらつくりべ)(馬具の製作に従う),馬飼部(うまかい∥うまかいべ)(馬の飼育に従う)などがあった。このように下部組織を形成する伴や部を〈トモ〉ともいい〈ベ〉ともいうのは,百済の官司の諸部の制度を輸入して朝廷の政治組織を革新したとき,朝廷の記録をつかさどっていた百済の帰化人=史部(ふひと∥ふひとべ)が,本国の習慣に従い,漢語の〈部〉とその字音の〈ベ〉を,日本の〈伴〉の制度に適用したために生じたとみるのが正しいであろう。 さらに,このような官司制を統轄した臣・連・伴造らの畿内貴族は,その経済的基盤として,部曲・民部(かきべ∥かきのたみ)の領有を公認され,天皇・后妃・皇子もおのおのの宮の経営や子女の養育の資として,名代・子代(なしろこしろ)を設定した。…

※「史部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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