コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

同時履行の抗弁権 どうじりこうのこうべんけんEinrede des nicht erfüllten Vertrages

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

同時履行の抗弁権
どうじりこうのこうべんけん
Einrede des nicht erfüllten Vertrages

双務契約当事者の一方が履行の請求を受けた場合でも,相手方の履行の提供までは自己の履行を拒絶できる権利 (民法 533) 。たとえば売主は買主の代金提供までは目的物の引渡しを拒絶できるのがその例。両当事者が履行義務を負う双務契約での両当事者の公平をはかるために認められたもので,同一の双務契約から生じる両債務が存在し,相手方の債務がすでに履行期にあるのに,相手方が債務の提供をしない場合に認められる。この抗弁権が認められるときは自分の債務が履行期を過ぎていても債務不履行の責任が生じない。したがって相手方は,解除するためには履行の提供をしなければならない。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

デジタル大辞泉の解説

どうじりこう‐の‐こうべんけん〔ドウジリカウ‐カウベンケン〕【同時履行の抗弁権】

当事者の双方が相互に債務を負担する契約において、相手方が債務の履行を提供するまで、自己の債務の履行を拒否できる権利。

出典|小学館デジタル大辞泉について | 情報 凡例

百科事典マイペディアの解説

同時履行の抗弁権【どうじりこうのこうべんけん】

双務契約の当事者の一方が,相手方が債務の履行を提供するまで,自己の債務の履行を拒み得ること(民法533条)。たとえば売主は買主が代金を支払うまでは目的物の引渡しを拒むことができる。
→関連項目抗弁権

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

どうじりこうのこうべんけん【同時履行の抗弁権】

たとえば,売買契約をした売主が,買主のほうから代金を持参するまでは目的物を引き渡さないと主張するように,双務契約(双務契約・片務契約)の当事者は,相手方がその債務の履行の提供(債務の履行をするために自分でできる限りのことをして債権者の受領を求めること)をするまでは,自分の債務を履行しないと主張することができる(民法533条)。このような主張をする権利を同時履行の抗弁権という。双務契約では双方の債務が互いに対価関係に立っていることを考慮し,公平のために認められた制度である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

同時履行の抗弁権
どうじりこうのこうべんけん

双務契約の場合、当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまで、自己の債務の履行を拒むことができる。これを同時履行の抗弁権という(民法533条)。たとえば、商品の売買で、売り主は代金の提供がない限り商品の引渡しを拒むことができるし、土地の売買で、相手方が代金の提供をするまで移転登記を拒むことができる。双務契約の各当事者にこのような抗弁権が与えられるのは、双務契約の相対立する債務が、互いに相手方が債務を負うから自分も債務を負うという意味で対価的意義をもっているために、その間に特殊の牽連(けんれん)関係を認めないと、公平を欠くことになるからである。同時履行の抗弁権が発生するためには、一個の双務契約から生じた相対立する債務が存在すること、相手方の債務が履行期にあること、相手方が自分の債務の履行またはその提供をしないで履行を請求すること、が必要である。また同時履行の抗弁権の効果は、それを有する債務者が履行遅滞にならないこと、相殺されないことであり、また訴訟上、それを主張すると、引換給付判決(原告の履行と引換えに被告に給付を命ずる判決)がなされる。[淡路剛久]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

同時履行の抗弁権の関連キーワード契約(当事者間の合意)双務契約・片務契約建物買取請求権分割債権・債務買取請求権淡路剛久契約解除履行遅滞留置権弁済

今日のキーワード

俳句甲子園

1998年から松山市で開かれる全国高等学校俳句選手権大会。高校生が5人1組で句の優劣をディベートで競い合う。チームでの勝敗とは別に、個人の最優秀句も選ぶ。今年は過去最多の41都道府県から121校、15...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android