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名子 ナゴ

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デジタル大辞泉の解説

な‐ご【名子】

中世、荘園領主や名主に隷属した下層農民。地方によっては近世にも残り、本百姓に隷属した。下人(げにん)・被官・家抱(けほう)・作子(つくりご)などと同種の身分層。

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百科事典マイペディアの解説

名子【なご】

中世・近世の隷属民。中世では名主(みょうしゅ)・小領主などに隷属し,下人(げにん),被官百姓などと同じ身分層の農民。近世では自立性を強め,特定の地主に隷属する小作農の一種。
→関連項目刈分小作

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世界大百科事典 第2版の解説

なご【名子】

中近世の従属身分に属する農民。鎌倉時代から史料に見える。1300年(正安2)の鎮西下知状に,薩摩国谷山郡の百姓弥平太入道の名子次郎太郎が,谷山郡の地頭のために馬2頭,銭1貫文を責め取られたことが見えているが,これがもっとも古い史料である。名子の史料は数少ないが,畿内,中国,九州,北陸,陸奥の各地に散見し,ほぼ全国的に存在したことが確かである。名子は妻子,眷属,脇の者,下人(げにん)などと並び称されており,主人の家の内部の存在で,その家父長的支配に属すべきものとされていた。

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大辞林 第三版の解説

なご【名子】

中世、名主・領主のもとで、住居・耕地などを借り、労役を提供した農民。近世には多く本百姓になったが、地方によっては本百姓との身分的隷属関係が残され、下人・被官・脇わきの者・家抱けほう・作り子・高下たかじたなどの名称で呼ばれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

名子
なご

名子被官制度」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

名子
なご

中世~近世の下層農民の呼称。鎌倉末期に初見し、この場合は脇名(わきみょう)百姓、脇住(わきじゅう)、間人(もうど)、小百姓とよばれる階層と同様に、名主(みょうしゅ)層以下の弱小農民(小百姓層という)をさした。名主のように名田(みょうでん)を給付されることがなく、荘園(しょうえん)領主の直営地(一色田(いっしきでん)・間田(かんでん))や名田の一部を請作しており、安定的な経営を行えず、荘園領主や名主に隷属する側面が大きい。近世にかけてより隷属度を強め、江戸時代には地方によって家抱(けほう)、分附(ぶんつけ)、譜代(ふだい)、被官(ひかん)などとよばれた。主家より家地、耕地、山林などを借り受けて生活するかわりに、主家の求めに応じて労力を提供する義務があり、宗門に至るまで主家に隷属した。しかし、その存在形態は家内奴隷的なものから中世の小百姓のようなものまで多様であった。農村経済の発展、名子の自立闘争などによってしだいに解放され本百姓化していったが、生産力の停滞した地方では近代まで名子制度が残存し、第二次世界大戦後の農地改革によって完全に解放・消滅した。[木村茂光]

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世界大百科事典内の名子の言及

【小作制度】より

…通常は農業について使用される語で,単に小作といえば耕地の小作のことである。語源的には,日本中世の名主(名田所持者・親方)と名子(子方)との間の土地貸借関係から生じたもので,〈子作〉という意味であった。またヨーロッパについても,中世末期以降の土地の貸借関係を指して小作ということがある。…

【名寄帳】より

…1598年(慶長3)の近江国蒲生郡今在家村の事例では,両帳の間で総面積,村高,屋敷数などがほぼ一致しているが,登録人数では名寄帳のそれが著しく少なく,検地帳の半数にすぎない。初期の検地帳には,村内の有力農民である長百姓(おさびやくしよう∥おとなびやくしよう)などとともに弱小で零細な小百姓(こびやくしよう),平百姓(ひらびやくしよう)などが多数登録され,その中には有力農民の血縁小家族や名子(なご),被官,家持下人なども含まれていた。領主による検地に際して,弱小農民は有力農民と並ぶ年貢負担者とされ,検地帳上では高請地(たかうけち)の名請人(なうけにん)として登録されていたが,村内における生産・生活の実態の中では弱小農民は有力農民の庇護下にあった。…

【百姓】より

…すなわち,家内奴隷的性格をもつ譜代下人(ふだいげにん)の労働と,半隷属的な小農の提供する賦役労働とに依拠して,大経営が維持されていた。半隷属的小農は名子,被官,家抱(けほう),隠居,門屋(かどや)など各地でさまざまの呼び方をされているが,これらはいまだ自立を達成しえない自立過程にある小農の姿である。これらの小農は親方,御家,公事屋,役家などと呼ばれる村落上層農民(初期本百姓)に隷属し,生産・生活の全般にわたって主家の支配と庇護を受けていた。…

【兵農分離】より

…地侍・名主百姓なども経営規模に差はあるものの,実体としてはこれと同じで,みずからも武装していた。
[兵と農の形成]
 兵農分離による〈農〉の形成の基本コースは,中世社会において土豪・地侍・名主百姓のもとに従属し,事実上は家族を形成していながら,主人の意のままに売買,質入,譲渡される運命にあった下人・名子などが,主人から恩恵的に与えられ,あるいは内密に開墾した土地を耕作することによって,経済的自立の基礎を獲得していくところにある。このような土地は,一般に〈ほまち〉〈新開〉と呼ばれ,地質や水利条件は劣悪であったが,そこでの収穫物は自分のものとすることができ,生産意欲をかきたたせることになった。…

【村方騒動】より

…江戸時代の村落は,前後の時代と比べると小農の比率が高く,比較的に均一な印象を与えるが,実際には上下の階層差が小さくなかった。村落の成員はほとんど百姓身分の農民だったが,初期には百姓以下の名子(なご),前地(まえち),被官(ひかん)などと呼ばれる隷属身分の下層農民がかなり存在した。また百姓身分であっても,家格によって家宅の構造や衣類の種類や婚姻,葬儀の形式などの区別が強いられていた。…

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