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名所絵 めいしょえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

名所絵
めいしょえ

平安・鎌倉時代屏風障子絵において,月次絵 (つきなみえ) ,四季絵と並び,あるいはこれらと組合わされて最も愛好された画題歌枕などで知られた諸国の名所を選び,季節感や人事などを盛込んで描き連ね,和歌と合せて鑑賞された。その流行は平安時代中期 (10世紀) に始り,大嘗会 (だいじょうえ) の饗宴に用いるやまと絵屏風も,悠紀 (ゆき) ,主基 (すき) の国郡内の地名にちなむ儀礼化された名所絵であった。さらに中世以後,名所絵の伝統は絵巻物などに継承され,近世初期の『洛中洛外図屏風』や広重北斎などの浮世絵風景版画にまで及んでいる。

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デジタル大辞泉の解説

めいしょ‐え〔‐ヱ〕【名所絵】

景勝地などの風景を描いた絵。江戸時代には浮世絵の画題として好まれた。

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百科事典マイペディアの解説

名所絵【めいしょえ】

和歌によまれた歌枕などの名所を描いたもので,平安・鎌倉時代の障壁画に多く行われた。四季絵月次(つきなみ)絵の性格を備えもつものもあった。
→関連項目大和絵

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世界大百科事典 第2版の解説

めいしょえ【名所絵】

歌枕など諸国の名所を選び,連作として屛風絵や障子絵に描いたものを名所絵と呼ぶ。月次絵(つきなみえ)や四季絵とともに,日本の風景・風俗を描いたやまと絵の主要なジャンルをなした。和歌に詠まれた名所の興趣深い情景を描き出し,主題となった和歌をそれぞれの画中の色紙形に能筆をもって書き込んだり,あるいは描かれた名所絵を前に,その風情を歌に詠じ合って興じたもので,やまと絵障屛画の常として和歌と絵画とが深く結びついていた。

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世界大百科事典内の名所絵の言及

【浮世絵】より

…とくに際だって注目されるのは,他の画派にあってはつねに主要な関心事である風景画と花鳥画の両分野の,浮世絵における成立と流行である。風景画には,特定の土地の風光の美とそこに営まれる人々の暮しぶりを紹介しようとした名所絵と,旅する人の目で宿駅や道中の景観と風俗とを描いた道中絵の二様があり,いずれも人事と深くかかわりをもった人間臭い風景描写を特色としている。また花鳥画においても,日常身近な動植物を題材に選び,図上に俳句や和歌を讃するなどして季節の詩感をしみじみと伝えた,親しみやすい表現がとられた。…

【やまと絵】より

…これらやまと絵障屛画は,その画題の構成法によって,はやくからいくつかの形式に分けられてきた。変化に富んだ四季の景趣や,12ヵ月折々の風物行事を連続的に描いた四季絵月次(つきなみ)絵,さらに歌枕として名高い各地の名所を四季の移り変わりと重ね合わせて連作とした名所絵である。また月次絵,名所絵の両者を統合整備したものとして大嘗会屛風が重要である。…

※「名所絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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