問屋場(読み)とんやば

  • といやば
  • といやば とひや‥
  • といやば〔とひや〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

江戸時代,宿駅の人馬の継立 (つぎたて) ,助郷 (すけごう) 賦課などに関する事務をとる役所。駅亭,伝馬所,馬締ともいう。業務は問屋 (または問屋役) が主宰し,ほかにその補佐役の年寄,さらに人馬の出入り賃銭などを記入する帳付,人馬を割当てる馬指などの役があった。

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百科事典マイペディアの解説

近世の宿駅において公用交通のための伝馬・人足の継立てを差配する施設。五街道では宿駅ごとに置かれ,複数の問屋場がある場合は半月や10日交替で業務を行った。問屋場には問屋・年寄の宿役人のほか,問屋が奉公人として雇った帳付(ちょうづけ)・馬指(うまさし)という下役が詰めていた。問屋は宿駅・助郷(すけごう)の人馬を差配し,公私の人馬継立てや休泊に関する一切の駅務を管掌した。年寄は問屋の補佐役,帳付は毎日の人馬の出入りを記帳,馬指は宿駅・助郷人馬に荷物を差配した。1868年伝馬所取締役が設置され,問屋場は伝馬所と改称された。1872年宿駅制度が廃止となった。
→関連項目宿・宿駅

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世界大百科事典 第2版の解説

近世の宿の事務を扱う場所。伝馬所または会所ともいう。宿役人の長である問屋の屋敷の一部をあてることもあり,別に設置する場合もあった。問屋が2人いれば問屋場も2ヵ所になり,問屋の数に応じた。問屋場へ詰めるのは問屋・年寄の宿役人と帳付・馬指(うまさし)・人足指などの実務に当たる者で,通常は交代で出勤するが,大通行のときには全員が詰める。問屋場で扱うのは公用またはそれに準ずる武家公家あるいは書状御用物等であるが,宿人馬で不足のときには助郷(すけごう)の人馬を寄せ集めておき,ときには数百頭数千人にも及ぶ人馬を差配するから,戦場のような騒ぎになった。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 江戸時代、宿駅で人馬の継立などをする事務所。その位置は、宿駅の中央に一か所ある場合や、上下に一か所ずつ、または上中下三か所にあるなど、各宿によって異なる。ここを主宰するのは問屋役で、年寄役がこれを補佐し、その下役に帳付、馬指・人足指・小指などがあった。とんやば。駅亭。問屋。伝馬所。
※御触書寛保集成‐二二・正徳二年(1712)四月「中山道筋にて荷物附替候節、人馬無之由を申、問屋場にて留置、駄賃銭之外に庭銭と申、臨時之賃銭取候所も有之由不届に候」
〘名〙 「といやば(問屋場)」の変化した語。
※咄本・近目貫(1773)吉原「そんなら馬にでも乗ますべい。問(トン)屋場()はどこだあもし」

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

江戸時代,宿駅の事務を行う所
「とんやば」とも読む。公用の人馬の配置,助郷人夫の賃金会計などを扱った。

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世界大百科事典内の問屋場の言及

【宿場町】より

… 宿の長を古くは長者といったが,江戸時代には問屋といい,1名または2名ぐらいいて,人馬の継立てや休泊に関する業務をつかさどった。その事務をとる所を問屋場という。問屋の補佐役は年寄で,数名のことが多い。…

【問屋場】より

…宿役人の長である問屋の屋敷の一部をあてることもあり,別に設置する場合もあった。問屋が2人いれば問屋場も2ヵ所になり,問屋の数に応じた。問屋場へ詰めるのは問屋・年寄の宿役人と帳付・馬指(うまさし)・人足指などの実務に当たる者で,通常は交代で出勤するが,大通行のときには全員が詰める。…

※「問屋場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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