文屋(読み)フミヤ

デジタル大辞泉 「文屋」の意味・読み・例文・類語

ふみ‐や【文屋】

学問をする所。学問所。〈名義抄
書物を売る店。書店本屋
厚面皮あつかましく一部の本となしてもて、―の肩を重らすものから」〈滑・七偏人・五〉
文屋司ふみやのつかさ」の略。

ぶんや【文屋】

歌舞伎舞踊清元。松本幸二作詞、初世清元斎兵衛作曲。五変化舞踊「六歌仙容彩ろっかせんすがたのいろどり」の一つとして、天保2年(1831)江戸中村座初演。文屋康秀ふんやのやすひで官女相手に、軽妙洒脱に踊る。

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精選版 日本国語大辞典 「文屋」の意味・読み・例文・類語

ふみ‐や【文屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 学問をするところ。学校。ふや。〔観智院本名義抄(1241)〕
  3. ふみや(文屋)の司」の略。
  4. 本屋。書店。
    1. [初出の実例]「世の流行書肆(フミヤ)の米箱をうるをす事」(出典人情本春色梅児誉美(1832‐33)後)
  5. 江戸時代、江戸市内の文使いを業とする者。遠距離飛脚に対していう。
    1. [初出の実例]「文やどんもうごさんなと女房いひ」(出典:雑俳・柳多留‐二三(1789))

ぶんや【文屋】

  1. 歌舞伎所作事。清元。松本幸二作詞。初世清元斎兵衛作曲。四世西川扇蔵ら振付。天保二年一八三一)江戸中村座初演。二世中村芝翫と二世岩井粂三郎との五変化舞踊「六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)」の一つ。文屋の康秀が官女を相手に、江戸の遊里や下町の情緒を踊る。

ふ‐や【文屋】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふんや」の「ん」の無表記 ) 学問をするところ。学問所。学校。ふみや。

ふん‐や【文屋】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふむや」とも表記 ) 「ふみや(文屋)」の変化した語。

ふんや【文屋】

  1. ( 後世は「ぶんや」とも ) 姓氏の一つ。

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改訂新版 世界大百科事典 「文屋」の意味・わかりやすい解説

文屋 (ぶんや)

歌舞伎舞踊。清元。五変化《六歌仙容彩(ろつかせんすがたのいろどり)》(《六歌仙》)の一曲。文屋康秀(ふんやのやすひで)を色好みの安公卿として扱い,江戸後期の作品で滑稽,軽妙に描いたもの。〈田町は昔,今戸橋〉の新内がかりの情緒や,官女たちとの恋づくしの問答,〈富士や浅間の煙はおろか〉と端唄になってのゆったりとした趣など,変化に富む。官女たちとのやりとりに,卑猥な詞章がふくまれ,戯画化された活発な動きがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「文屋」の意味・わかりやすい解説

文屋
ぶんや

清元節の曲名。六歌仙を題材にした歌舞伎の五変化舞踊『六歌仙』の2番目の曲。文屋康秀と官女の踊り。松本幸二作詞,1世清元斎兵衛作曲。天保2 (1831) 年3月中村座初演。

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