(読み)ヌリ

デジタル大辞泉 「塗」の意味・読み・例文・類語

ぬり【塗(り)】

塗ること。塗ったもの。また、塗り方。「塗りがはげる」
特に、漆塗りのこと。「塗りおけ」「塗りわん
[類語]塗装塗布塗抹塗るなす掃く付ける塗り付ける塗りたくる塗擦する

と【塗】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]ぬる まみれる
ぬる。「塗装塗布塗抹塗料
泥。泥にまみれる。「塗炭泥塗
道路。「道聴塗説
[名のり]みち
難読塗師ぬし

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「塗」の意味・読み・例文・類語

ぬり【塗】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ぬる(塗)」の連用形名詞化 )
  2. ぬること。ぬった物。また、ぬったさま。ぬりかた。
    1. [初出の実例]「〈予〉金灯台〈塗也〉二つ令持参」(出典:舜旧記‐慶長一五年(1610)一二月二〇日)
    2. 「塗りの剥げた茶餉台」(出典:途上(1932)〈嘉村礒多〉)
  3. 特に、漆塗りのこと。多く、「ぬりおけ」「ぬりがさ」など、他の語と複合して用いる。

まみれ【塗】

  1. 〘 造語要素 〙 ( 動詞「まみれる(塗)」の連用形から ) 他の語の下に付いてそのものがついたりしてよごれる意を表わす。「汗まみれ」「血まみれ」「泥まみれ」など。

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普及版 字通 「塗」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音]
[字訓] ぬる・どろ・みち

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(と)。は塗の初文。〔孟子、公孫丑上〕「塗に坐す」の〔注〕に「混なり」とあり、〔説文新附〕十三下も同訓。塗りこめることは、呪禁の方法として用いられることが多く、殯(かりもがり)のとき、棺に収めて塗りこめることを塗殯(とひん)という。(途)と通用し、「塗歌邑誦」、「道聴(てい)塗説」のように用いる。

[訓義]
1. ぬる、ふさぐ。
2. どろ、ぬかるみ。
3. みち。

[古辞書の訓]
名義抄〕塗 ヌル・ミチ・マミル・カヘ・ユク・クボツ・クボム・ヒチリコニシテ・ヨクバル

[語系]
塗・daは同声。除diaは声義近く、これらにはみな祓除の意がある。余は把手のある大きな針。これを刺したてることが、除道修祓の方法であった。(唐)dangは中の道の意に用いることがある。語彙・途字条参照。

[熟語]
・塗遠・塗汚・塗屋・塗歌塗改塗軌・塗塗逕・塗工・塗塗采・塗・塗次・塗次・塗車塗飾・塗人・塗説・塗像塗沢・塗炭・塗泥塗轍・塗田塗附塗塀・塗抹・塗面塗輿塗潦塗廩
[下接語]
堊塗・塗・栄塗・画塗・偽塗・義塗・金塗・塗・塗・銀塗・孤塗・糊塗塗・首塗・殊塗・椒塗・牆塗・塵塗・政塗・塗・長塗・泥塗・土塗・当塗・堂塗・道塗・半塗・別塗

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【道】より

…前者では頭を前に向けて進む方向の意だが,後者をとると道路の通過する城壁の門下などに犠牲(いけにえ)の首を埋めこむ呪詛的行為とも解される。なお道と同様に使われる路(横の連絡みち)や塗(土をおしのばし固めたみち)も関係が深い。道が祓除の場であり,聖なる空間として認識されたという想定は,祖道と称し,道祖神をまつることともつながる。…

※「塗」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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