塩化バリウム(読み)えんかばりうむでーたのーと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩化バリウム」の意味・わかりやすい解説

塩化バリウム(データノート)
えんかばりうむでーたのーと

塩化バリウム
BaCl2
式量208.2
融点962℃
沸点1560℃
比重3.85(測定温度24℃)
溶解度36g/100g(水20℃)

塩化バリウム
えんかばりうむ
barium chloride

バリウム塩素の化合物。以前は重晶石(硫酸バリウム)を塩化カルシウムと溶融して製造していたが、現在では硫化バリウム溶液と塩酸との反応によっている。飽和溶液から常温無色の扁平(へんぺい)な結晶、または粉末状の二水和物が析出する。二水和物はわずかに吸湿性をもつ。これは121℃で無水和物に変わる。無水和物は常温では単斜晶系の結晶であるが、転移点925℃で等軸晶系に変わる。水に溶けやすいが、エタノールエチルアルコール)やアセトンには溶けない。レーキ顔料、バリウム塩の原料ボイラー用水軟化剤などのほか、分析試薬としても用いられる。

[鳥居泰男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩化バリウム」の意味・わかりやすい解説

塩化バリウム
えんかバリウム
barium chloride

化学式 BaCl2苦みがかった塩味のある無色の物質無水塩,2水塩の比重はそれぞれ 3.89,3.10。有毒。水に易溶,メチルアルコールに可溶,エチルアルコール,アセトンに不溶。レーキ顔料,媒染剤殺虫剤などに使われる。

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