塩化ナトリウム(読み)えんかナトリウム(英語表記)sodium chloride

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

塩化ナトリウム
えんかナトリウム
sodium chloride

化学式 NaCl 。無水は無色。立方晶系結晶塩化ナトリウム型構造をもつ。融点 800.4℃,沸点 1413℃,比重 2.18。水 100gに対して,0℃で 35.6g,20℃で 35.8g,100℃で 39.1g溶解する。海水中には平均 2.8%程度含まれている。アルコールに難溶。純粋なものは潮解性がないが,Mg2+ や Ca2+ を微量含むものは強い潮解性をもつ。化学工業原料として重要である。 (→ )

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百科事典マイペディアの解説

塩化ナトリウム【えんかナトリウム】

化学式はNaCl。食塩。融点801℃,沸点1485℃。等軸晶系の無色の結晶。温度による溶解度の差が小さく,100gの水には0℃で35.6g,100℃で39.1g溶ける。天然には岩塩として産し,海水中にも約2.8%含まれる。→(しお)
→関連項目生理的食塩水ダイナマイト

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世界大百科事典 第2版の解説

えんかナトリウム【塩化ナトリウム sodium chloride】

化学式NaCl。食塩とも呼ばれるが,厳密には区別して用いるべきである。食塩は塩化ナトリウムを主成分とする食用の塩であって,純粋化学薬品としてのNaClそのものではない。海水中に平均2.8%存在する。岩塩の形で,ヨーロッパ大陸,アメリカ大陸,中国奥地などに大鉱床を形成して産出する。無水塩は無色で,結晶は立方晶系。よく舌になじむ辛味を有する。塩化ナトリウム型構造。融点800.4℃,沸点1413℃。比重2.164(20℃)。

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大辞林 第三版の解説

えんかナトリウム【塩化ナトリウム】

代表的な金属塩化物で、水に溶ける白色の結晶。化学式 NaCl 天然には岩塩として産出するほか、海水中に平均2.8パーセント含まれる。海水からイオン交換膜法で採取する。生物体にとって重要な生理作用をもつ。調味料、食品保存のほか、寒剤としても用いる。また、化学工業の重要な原料物質。食塩。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

塩化ナトリウム
えんかなとりうむ
sodium chloride

ナトリウムと塩素の化合物。通称は食塩。天然には岩塩として、ヨーロッパ、アメリカ、中国などの各地に巨層をなして産出する。ドイツのシュタッスフルトなどが有名であるが、日本ではみいだされていない。岩塩から掘り取ったものは工業用としてそのまま用いられるが、食用にするには、多くの場合、再結晶法による精製が行われる。海水中にも平均2.8%ほど含まれる。日本では塩田法による採取が普通であったのが、近年イオン交換膜を用いる方法が進歩し、1971年(昭和46)以来塩田は姿を消している。[鳥居泰男]

性質

結晶中ではナトリウムイオンと塩化物イオンが交互に規則的に配列した構造をとっており(塩化ナトリウム型構造)、イオン結晶の構造の典型の一つである。融点以上では揮発性が高く、気体状態ではイオン対のNaCl(Na―Cl 2.51Å)が存在する。化学的に純粋なものは潮解性がないが、粗製品は塩化マグネシウムなどの混在のために潮解性を示す。水によく溶けるが、アルコールには溶けにくい。飽和水溶液からは、0℃以下で無色単斜晶系の二水和物が生じ、零下21.3℃で含氷晶が析出する。これを利用し、塩化ナトリウムと粉砕した氷とを混ぜることによって(25対27)零下21℃の寒剤をつくることができる。[鳥居泰男]

用途

塩素、塩酸、ナトリウム、水酸化ナトリウムその他ナトリウム塩の製造原料として重要であり、また、陶磁器の釉薬(ゆうやく)、せっけんの塩析などに使用される。そのままで調味料とするほか、みそ、しょうゆの原料、食品貯蔵などに用いられる。医薬品として生理食塩液、リンゲル液などにも用いられる。そのほか、大きな単結晶には、赤外線分光器のプリズムといった特殊な用途がある。[鳥居泰男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

えんか‐ナトリウム エンクヮ‥【塩化ナトリウム】

〘名〙 (ナトリウムはNatrium) ナトリウムと塩素の化合物。化学式 NaCl ふつうの無水塩は無色の等軸晶系結晶。一般には塩という。天然には海水中に平均二・八パーセント含まれるほか、陸地では岩塩として産出する。工業的には天然物を精製して作る。ナトリウム塩の製造原料、調味料寒剤などに広く用いられる。

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化学辞典 第2版の解説

塩化ナトリウム
エンカナトリウム
sodium chloride

NaCl(58.47).天然には,岩塩として産出する.海水中に平均2.8% 含まれる.動物体内で重要なはたらきをする.岩塩はそのまま掘り取り,また海水を濃縮して析出させる.精製するには,水溶液に塩化バリウム,石灰乳,炭酸アンモニウムなどを加え,Mg2+,Ca2+,SO42- などを沈殿させて分離したのち,塩化水素ガスを通じて析出させるときわめて純粋なものが得られる.無水物は無色の等軸晶系六面体結晶で,塩化ナトリウム型構造をもつ代表的なイオン結晶.格子定数a = 0.564 nm.Na-Cl0.282 nm.赤外線をよく透過する.融点801 ℃,沸点1413 ℃.密度2.17 g cm-3.融点以上ではげしい揮発性を示す.気体分子は重合せず0.251±0.003 nm.純品には潮解性がない.水100 g に対する溶解度は35.7 g(0 ℃),39.1 g(100 ℃).エタノールに難溶,グリセリンに可溶,濃塩酸に不溶.飽和水溶液は0 ℃ 以下で無色の単斜晶系の二水和物を生じ,-21.3 ℃ で含水晶をつくり,寒剤に利用される.ナトリウム塩や塩素化合物の製造,せっけんの塩析などの工業用途のほか,食用,食品貯蔵,赤外分光器のプリズム,医薬品などに用いられる.[CAS 7647-14-5][別用語参照]塩化ナトリウム単結晶

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世界大百科事典内の塩化ナトリウムの言及

【化学結合】より

…分子の中でそれを構成する原子を互いに結びつけ,分子の形を維持しているのが化学結合である。希ガス元素(ヘリウムHe,ネオンNe,アルゴンArなど)の原子を除くと,一般の元素の原子は常温・常圧では単独で存在するよりも,他の同種または異種の原子いくつかとかなり強い力で引き合って集合して,分子を形成したほうがエネルギーが低くなり安定である。このように分子の中で強い力を及ぼし合っている原子の間には化学結合があるという。…

【塩】より

…塩は食塩とも呼ばれるが,化学的には塩化ナトリウムNaClと呼ばれ,ナトリウムイオンと塩素イオンとが規則正しく配列した無色透明の正六面体の結晶で,へき開性もある。製法により結晶の外形も不定形になり,色相も種々の色を呈する。…

※「塩化ナトリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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