出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
栃木県中北部、塩谷郡にある町。1965年(昭和40)町制施行。町域は、高原(たかはら)山南斜面から氏家(うじいえ)台地の北西部に連なる台地に広がり、南縁を鬼怒(きぬ)川が東流する。主産業は、台地を刻む荒川などの中小河川沿いに広がる水田を中心とする農業で、キクの栽培が盛ん。また、田所(たどころ)地区に工業団地がつくられている。国道461号が通じる。中心集落は玉生(たまにゅう)で、日光北街道の宿駅としての名残(なごり)をとどめる街村形態をとるが、その中心性は高くない。矢板(やいた)、宇都宮、日光へバスが通じ、この3都市への依存が大きい。国指定史跡の佐貫石仏(さぬきせきぶつ)のほか、鳥羽(とば)ノ湯、高原牧場の観光地もある。また、風見(かざみ)の神楽(かぐら)は県指定無形民俗文化財。面積176.06平方キロメートル、人口1万0354(2020)。
[櫻井明久]
栃木県中央部,塩谷郡の町。1965年町制。人口1万2560(2010)。南部は鬼怒川北岸の低地,北部一帯は高原山の南斜面が占め,町域の過半が林野である。中心集落の玉生(たまにゆう),船生(ふにゆう)は近世,日光北街道の宿駅で,参勤交代の帰路日光社参を済ませた奥州諸大名の往来でにぎわった。木材を産するほか,鬼怒川と,那珂川の支流荒川の沿岸低地には水田が広がり,米作と畜産,花卉栽培が行われる。鬼怒川北岸にそそりたつ観音岩に刻まれた佐貫石仏は国の史跡に指定されている。
執筆者:千葉 立也
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