仏教においては,仏教以外の宗教や思想をすべて外道,外教(げきよう)あるいは外法(げほう)などと呼んでいる。サンスクリットの原語は(anya-)tīrthakaであって,(その宗教より)以外の宗教およびその信者,すなわち異教,異教徒を意味している。外道に対して,仏教はみずからを内道(ないどう),内教,内法などと言う。しかし,仏典中に用いられた外道の意味は必ずしも前述のように広くはなく,主として,古代インドにおけるものを指しており,六師外道,九十五種外道などすべてインドの外道である。中国の儒教や道教,日本の神道などは普通外道とは言わない。外道が仏教側から見て正しくない教えを意味したところから,この言葉はひろく,屁理屈家(へりくつや)や邪説を述べる者という蔑称となり,また人をののしる語ともなった。また日本では,災難をもたらす厄神(やくしん)を指して悪魔外道と言い,それら厄神の姿形や邪悪の相の仮面をも外道と呼んでいる。
→外法
執筆者:井ノ口 泰淳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
仏教以外の教え、また、その教えを信ずる者のこと。古代インドの六師(ろくし)外道のように、本来は仏教以外の思想や宗教を奉じている者のことをいい、古くは「異学(いがく)」「異見(いけん)」と訳された。やがて、外道の語が用いられてから、他をけなす意味をも含むようになり、邪道と同義にさえ用いられるようになり、さらに、仏の教えを非難し、そしる者をも外道とよぶようになった。
[石上善應]
…私利私欲を満たすために,他人を犠牲にすることをも恐れない法術のことで,邪術や幻術とほぼ同義である。外術(げじゆつ),外道(げどう)ともいう。天狗の行う法術(呪術)は外法であると考えられており,天狗のことを外法様,その術を行うことのできる僧を外法僧ということがある。…
※「外道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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