大滝山(読み)おおたきやま

日本歴史地名大系 「大滝山」の解説

大滝山
おおたきやま

てら町の西方にあり、山の一角をなす。同山は江戸時代には麓の地名から佐古さこ山・富田とみだ山・八万はちまん山・名東みようどう山・中津なかつ山・福万ふくまん山・柿谷かきたに山・長谷ながたに山、寺社などの関係から大滝山・勢見せいみ山・万年まんねん山などとよばれることが普通であった。山全体を眉山と称するのが一般化したのは幕末―明治のことで、明治初年の徳島藩御城下絵図(県立博物館蔵)には「眉山」とある。大滝山の名は蜂須賀氏が入国の際に勝瑞しようずい城下(現藍住町)にあった持明じみよう(廃絶)を眉山の麓に移して薬師如来を安置し、大滝山持明院と号した山号に由来するという。「阿波志」に府城の南西五〇〇歩ばかりにあるとして記される大滝山は眉山のことと考えられるが、「巉巌争出、石磴沿渓、其側有瀑布飛流一条、其水清冽、三層塔甘露閣聳其上、医王堂菅公廟左右対起」とあるのは、持明院の三重塔や同院持の滝薬師の記述があることから、寺町西方の当山麓一帯をさすと考えられる。

大滝山
おおたきやま

三郷みさと村・堀金ほりがね村の西方にそびえる標高二六一四メートルの山、堀金村安曇あずみ村との境に位置する。隣のちようヶ岳同様古生層からなる山で、その山容は峰がなだらかである。「信府統記」は「大岳おおたけ」としている。南麓に大滝・小滝があり、尾根続きの黒沢くろざわ(二〇五一メートル)の麓に黒沢の不動滝がある。いずれも修験者の行場で、山麓の小倉おぐら(現三郷村)には修験道場である金峰山泉光寺がある。

小倉から鍋冠なべかむり(二一九四メートル)を越えて大滝山に登り、上高地に下る道は修験者の開いた道である。

大滝山
おおたきさん

菱山ひしやまの東部にある山。瀑布を中心とした一帯の山地をさす。標高一三〇〇メートル余。甲府盆地東端に位置し、北方は尾根伝いに宮宕みやご山につながる。河川の浸食を受けた深い渓谷を有し、山頂付近の展望台からの眺めは絶景である。「甲斐名勝志」には「山頂の水分れて二条の瀑布となる。一を雄滝といひ高さ四十五丈、一を雌滝といひ十弐丈、遠く之を望めば白雲の渓谷より起るかと怪まる」と紹介されている。山名の由来はこの大瀑に由来すると思われるが、タキとはもともとは崖を意味する地形名である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大滝山」の意味・わかりやすい解説

大滝山
おおたきやま

香川,徳島両県の境にある讃岐山脈中部の山。標高 946m。早壮年期末期の山地で,山頂に狭い浸食平坦面 (メサ) が残存。和泉層群の砂岩,泥岩の互層から成る。山頂付近に県下唯一のブナ林があり,アカマツ林が広い。イワオモダカ,コウヤシロガネソウなどの希少植物,クロコノマ,アサギマダラなど希少昆虫の多産地。鳥類も多く,付近には県民いこいの森やキャンプ場などの施設があり,北麓に塩江温泉がある。

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事典・日本の観光資源 「大滝山」の解説

大滝山

(香川県高松市)
香川のみどり100選」指定の観光名所。

大滝山

(岡山県備前市)
おかやまの自然百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報