大隅石(読み)オオスミセキ(その他表記)osumilite

デジタル大辞泉 「大隅石」の意味・読み・例文・類語

おおすみ‐せき【大隅石】

珪酸塩鉱物一種ガラス光沢がある青色または黒色板状結晶六方晶系流紋岩デーサイト空隙などに産する。鹿児島県で発見され、昭和28年(1953)に都城みやしろ秋穂が新鉱物として報告した。名称大隅半島にちなむ。オースミライト

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大隅石」の意味・わかりやすい解説

大隅石(おおすみせき)
おおすみせき
osumilite

シクロ珪(けい)酸塩鉱物の一つ。六角短柱状結晶ないし微細な粒として、流紋岩ないしデイサイトの空隙(くうげき)あるいは石基中に産する。鹿児島県垂水(たるみず)市咲花平(さっかびら)で産する本鉱は、最初菫青石(きんせいせき)と考えられていたが、1953年(昭和28)都城秋穂(みやしろあきほ)(1920―2008)によって新鉱物として報告された。以来、鹿児島県下の他産地からも、イタリアやアメリカなどからも発見された。ほかに、グラニュライト相に属する塩基性変成岩の合分として産したり、玄武岩や安山岩中の捕獲岩中にも産する。なお第一鉄よりマグネシウムの多いものは、苦土大隅石osumilite‐(Mg)という別種扱いになる。名称は原産地(咲花平は大隅半島にある)に由来する。

松原 聰]


大隅石(データノート)
おおすみせきでーたのーと

大隅石
 英名    osumilite
 化学式   (K,Na)(Fe2+,Mg)2(Al,Fe3+)3
       (Si,Al)12O30・H2O
 少量成分  Ca
 結晶系   六方
 硬度    7
 比重    2.6
 色     暗菫
 光沢    ガラス
 条痕    白~帯青白
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)


大隅石(おおすみいし)
おおすみいし

大隅石

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最新 地学事典 「大隅石」の解説

おおすみせき
大隅石

osumilite

化学組成(K,Na)(Fe2,Mg)2(Al,Fe33(Si,Al)12O30。ミラー石族の鉱物の一種。六方晶系,空間群P6/mcc,格子定数a1.016nm, c1.428, 単位格子中2分子含む。肉眼では暗青ないし黒色。壁開なし。比重2.64。薄片中薄青色。屈折率ε1.550, ω1.546。一軸性正。火山岩やそのがま中にシリカ鉱物などと共生して産出。大隅半島の流紋岩から発見。大隅石はFe/Mgが1より大きいが,この値が1より小さい場合には,osumilite-(Mg)と呼ぶ。アルカリ,アルカリ土類金属の置換,Fe,Mgの置換,AlをFe,Li,Beなどで置換するなどして多数の種がある。たとえばペグマタイトなどに産するミラー石(milarite, KCa2AlBe2[Si12O30]・1/2H2O),隕石や火山岩空隙中に産するレッダー石(roedderite, KNa(Mg, Fe)5 Si12O30),鉄隕石中に産する八木石(yagiite,(Na, K)1.5 Mg2(Al, Mg)3(Si, Al)12O30)などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「大隅石」の意味・わかりやすい解説

大隅石 (おおすみいし)
osumilite

化学組成は(K,Na,Ca)(Mg,Fe)2(Al,Fe)3(Si,Al)12O30・H2O。六方晶系,暗青色ないし黒色の柱状または板状結晶をなす鉱物。比重2.64,へき開はない。火山岩の孔隙や石基に出現し,また熱変成を受けた火山放出物や先カンブリア時代の高変成相であるグラニュライトからも発見されている。この鉱物は高温低圧鉱物であるが,相平衡実験によると,圧力5~9kbar(深さ20~32km)までは存在しうる。鹿児島県垂水市咲花平の流紋岩からキン(菫)青石として報告されていたものが,1956年になって,新鉱物であることがわかり,大隅国にちなんで命名された。
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