子夏(読み)シカ

デジタル大辞泉 「子夏」の意味・読み・例文・類語

しか【子夏】

[前507~?]中国春秋時代学者孔門十哲一人の人。一説に、の人。姓はぼく、名は商。礼の形式を重視、また古書に通じていた。「詩経」「春秋」などを後世に伝えたといわれる。

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精選版 日本国語大辞典 「子夏」の意味・読み・例文・類語

し‐か【子夏】

  1. 中国、戦国時代儒者。姓は卜、名は商。子夏は字(あざな)孔子弟子。十哲の一人。文学にすぐれ、孔子の死後は魏の文侯尊信を受けた。「詩序」「易伝」「儀礼喪服伝」の著者といわれている。(前五〇七頃‐前四二〇頃

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「子夏」の意味・わかりやすい解説

子夏
しか
(前507?―前425?)

中国、春秋時代の士人。孔子の弟子。姓は卜(ぼく)、名は商。子夏は字(あざな)。温国(河南省温県。鄭玄(じょうげん)説)の人。また衛(えい)の人、魏(ぎ)の人ともいう。四科十哲の文学にあげられる。その学に関し、『詩序』『易伝』を著したといい、孔子より『春秋』を受け、公羊高(くようこう)、穀梁赤(こくりょうせき)はともに子夏の門人といい、礼については『礼志』を著し、『儀礼喪服』はその著とするなどの諸伝誦(でんしょう)があり、要するに孔門における文献伝承と、その解釈に功があったことを示す。孔子の死後、西河(河南省安陽)にあって教団を構え、また魏の文侯の師となり、国政を諮問されたという。

[宇野茂彦 2015年12月14日]

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改訂新版 世界大百科事典 「子夏」の意味・わかりやすい解説

子夏 (しか)
Zǐ xià
生没年:前507-前420ころ

中国,孔子の門人。姓名は卜商(ぼくしよう),子夏は字である。文学に通じて,孔門十哲の一人にかぞえられる。孔子の死後は,西河(河北省)で弟子に教え,魏の文侯に仕えて学問的影響を与えた。その《詩経》に関する研究は荀子に受け継がれ,《春秋》の学は公羊高(くようこう)・穀梁赤(こくりようせき)に伝えられて《公羊伝》《穀梁伝》となったという。《儀礼(ぎらい)》の〈喪服伝〉は子夏の作とされ,《礼記(らいき)》の〈楽記篇〉には子夏と魏の文侯との問答の形で,音楽の政治的効用が説かれているが,いずれも彼の学派あるいは後学の徒のものであろう。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「子夏」の意味・わかりやすい解説

子夏
しか
Zi-xia

[生]前507
[没]前420?
中国,戦国時代の学者。姓は卜。名は商。子夏は字。衛 (河南) の人。孔子の高弟,いわゆる四科十哲の一人。孔子の礼儀面を伝え,魏の文侯の尊敬を受け,孔子の教えを中原に広めた。

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世界大百科事典(旧版)内の子夏の言及

【四科十哲】より

…政事には冉有,季路。文学(学問)には子游,子夏〉と見える。徳行,言語,政事,文学の四つのカテゴリーは孔門の四科と呼ばれ,後世,人間の才能の表現のうち,最も重要なものとされる。…

※「子夏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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