1961年(昭和36)から2022年(令和4)まで、宅地造成に関する規制などを定めていた法律(昭和36年法律第191号)。2021年7月に静岡県熱海(あたみ)市でおきた大規模土石流災害(死者・行方不明者28人)を受け、2022年に盛土規制法(正式名称「宅地造成及び特定盛土等規制法」)に改正された。
旧・宅地造成等規制法では、都道府県知事、政令指定都市長、中核市長、特例市長が、宅地造成に伴い災害が生ずるおそれのある市街地または市街地となろうとする区域を宅地造成工事規制区域に指定。同区域内の宅地造成工事を許可制とし、政令で定める技術的基準に従い、災害防止のために必要な措置を講じなければならないと定めていた。違反した場合には、監督処分が可能であり、すでに存在する宅地については改めて許可を得る必要はなかったが、災害発生のおそれが著しいとみられた場合、改善命令を発することができた。これらの権限は、都道府県知事(ただし政令指定都市、中核市、特例市内ではその市長)が行使。もともと宅地造成の規制は、崖(がけ)崩れの多い神戸市での条例(1960)がきっかけとなり、建設省(現、国土交通省)が主導して本法が制定されたのである。
[矢野 武 2022年11月17日]
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…まず第1の宅地造成としての意味が社会的に認知され,規制手段が成立したのは1960年代初頭である。傾斜地における宅地造成ががけ崩れや土石流をもたらすことを防止するために,1960年神戸市は〈傾斜地における土木工事の規制に関する条例〉を生み出し,これがきっかけとなり,61年〈宅地造成等規制法〉が制定された。これに引きつづき64年〈住宅地造成事業に関する法律〉が成立した。…
※「宅地造成等規制法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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