日本大百科全書(ニッポニカ) 「対偶(機械)」の意味・わかりやすい解説
対偶(機械)
たいぐう
pair
ボルトとナットのように、一定の相対運動をする機構のそれぞれの部分(機素)が接触し、互いに一定の拘束運動をするような組合せをいう。軸と軸受、一対の歯車などがその例である。対偶は、面接触をするものと、線または点接触するものとに分けることができる。面接触をする場合、その運動から次のようなものがある。〔1〕一方を固定すると他方は直線運動をする滑り対偶、〔2〕軸線の周りに回転運動だけをする回り対偶、〔3〕直線運動と同時に回転運動をするねじ対偶、〔4〕球面で接触し球の中心に対して球面運動をする球面対偶、などである。拘束が幾何学的に完全なものを拘束対偶、ばね、油圧、重力などの外力によって拘束しなければならないものを強制拘束対偶という。
[中山秀太郎]