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小前 こまえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小前
こまえ

江戸時代の小農民をいい,「前」は身分とか分限の意。一般に耕地や宅地を所持し年貢を負担する本百姓をすべて小前,小前百姓といった。また村役人級の大高持 (大前) に対して,一般の百姓あるいは水呑百姓のような零細な困窮農民をさすこともある。

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デジタル大辞泉の解説

こ‐さき【小前/小前駆】

殿上人(てんじょうびと)が通行の際、先払い警蹕(けいひつ)の声を短く引くこと。
「殿上人のは短ければ、大前(おほさき)―とつけて聞きさわぐ」〈・七八〉

こ‐まえ〔‐まへ〕【小前】

[名]江戸時代、田畑や家屋敷は所有するが、特別な家格・権利を持たない本百姓。小作などの下層農民をさす場合もある。小前百姓。
[名・形動ナリ]
商売や家業を小規模に営むこと。暮らし向きがつつましいこと。また、そのさまやその人。
「取り広げたる棚もしまひがたく、自(おのづか)ら―になりぬ」〈浮・永代蔵・一〉
規模が小さいこと。また、そのさま。
「村瀬は智者で―な故、風流のない人ぢゃ」〈胆大小心録

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百科事典マイペディアの解説

小前【こまえ】

小前百姓,平百姓とも。元来は規模が小さいことで,転じて江戸時代の農民の一定の階層を示す語。本来は村役人に対して一般本百姓をいったが,本百姓の分解が進む中期以降は,地主など上層農民に対して,水呑も含めて中下層農民全体をいう場合が多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

こまえ【小前】

17世紀後半期には近世村落(小農村落)が成立し,身分や家格に拘束されることなく高持百姓全員が村落構成員としての資格を獲得するようになるが,近世村落の成立によって,百姓としての権利と義務(用水や入会地の利用権,年貢・諸役・村入用など諸負担の義務)を持つ高持百姓を小前と呼ぶようになる。しかし小前の用語にはかなり広い意味が含まれていて,(1)高持百姓のすべてを指す場合,(2)村役人以外の一般の高持百姓を指す場合,(3)無高の水呑百姓をも含めて,弱小な小百姓を指す場合,などがある。

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大辞林 第三版の解説

こまえ【小前】

( 名 )
江戸時代、本百姓ではあるが特別の権利・家格をもたない百姓。また、小作人層をいう場合もある。小前百姓。 ⇔ 大前
( 名 ・形動ナリ )
商売などを小規模に営む・こと(さま)。また、その商人・職人など。 「(田畑ハ)-なれども先祖より持伝へたる事なれば/歌舞伎・勧善懲悪覗機関」
小さいこと。格や程度が低いこと。また、そのさま。 「村瀬は智者で-な故、風流のない人ぢや/胆大小心録」

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